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第百二十五話 天空の要塞、地下の激戦

廃墟教会の地下通路は、護衛たちの血と硝煙で満ちていた。コウ、メイファン、ホアキン、そしてクロエとマルタは、息つく暇もなく、さらに奥へと進んだ。通路の先には、巨大な鋼鉄の扉が立ちはだかっている。それが、イリーナの居城、天空の要塞へと続く唯一の入り口だった。


「クソッ、なんて厳重なんだ!」


マルタが苛立ちを露わに叫び、Izhmash Saiga 12を構えた。彼女の視線の先には、扉の横に設置された複数の監視カメラと、レーザーセンサーが網目のように張り巡らされている。通路の天井には、隠し銃座らしきものまで見えた。


「これは…ただの護衛じゃない。イリーナの城塞は、まるごと一つの軍事施設だ」


クロエが、AA-12を手に警戒しながら言った。彼女の顔は、緊張で引き締まっている。


「だが、この通路の存在を知っているってことは、リックの奴も、ただのギャングじゃねえな」


コウは、FN SCARを構え、冷静に状況を分析した。彼は、ベレッタをホルスターに収め、より強力な武器に持ち替えていた。銃の重みが、彼の決意の固さを物語っている。


「どうする、コウ?」


メイファンが尋ねた。


「正面突破だ。だが、ただ突っ込むんじゃない。この警備システムには、必ず弱点がある」


コウはそう言うと、ホアキンを振り返った。


「ホアキン、お前が最初に言ったことを思い出せ。イリーナのシステムは、完璧じゃない。どこかに、必ず抜け道があるはずだ」


ホアキンは、コウの言葉に頷き、震える手でタブレットを取り出した。彼は、イリーナの城塞の構造を解析し、警備システムの死角を探し始めた。


「あった…! このレーザーセンサーは、電磁波に弱い! 一時的に無効化できる!」


ホアキンが、興奮したように叫んだ。


「よし! メイファン、お前がやってくれ!」


コウはメイファンに指示を出した。メイファンは頷くと、懐から小型のEMP(電磁パルス)発生装置を取り出した。彼女は、装置を起動させ、通路の壁に投げつけた。


パチパチパチ…!


静かなスパーク音が響き、レーザーセンサーが消えた。同時に、監視カメラの赤いランプも消え、画面にノイズが走る。


「…今だ! 行くぞ!」


コウは叫び、一気に扉へと駆け寄った。彼は、手榴弾を扉の横に投げつけた。


ドォン!!


爆発音が響き、扉が吹き飛んだ。通路の奥から、イリーナの護衛たちが、銃を構えて姿を現した。彼らが持っているのは、SIG MPXとFN P90。軽量で取り回しの良い短機関銃は、狭い通路での戦闘に特化している。


「くそっ…! 来たか!」


コウは叫び、FN SCARを構え、護衛たちに銃口を向けた。


ダダダダダダダ!


SIG MPXとFN P90の軽快な銃声が、通路に響き渡る。コウは、素早く祭壇の陰に身を隠した。銃弾が、祭壇のコンクリートを叩き、白い粉が舞い上がる。


「コウ! 俺が援護する!」


クロエが、AA-12を構え、護衛たちに応戦した。**ダダダダダダダ!**という怒号が響き渡り、護衛たちは次々と血を噴き出して倒れていく。


「ちくしょう…! 援護しろ!」


護衛の一人が叫び、応援を呼んだ。通路の奥から、さらに多くの護衛たちが姿を現す。彼らは、H&K G36を構えている。


「くそっ…! キリがねえ!」


マルタが、Izhmash Saiga 12を構え、護衛たちに銃弾の雨を降らせる。彼女の銃弾は、護衛たちの体を吹き飛ばし、通路に血の華を咲かせた。


コウは、護衛たちの銃撃をかわしながら、正確にFN SCARを発砲した。**パン!パン!パン!**という乾いた音が響き、銃弾は護衛たちの頭部や胸を正確に貫いていく。


「ホアキン、メイファン! 早く行け!」


コウは、ホアキンとメイファンに叫んだ。


「だが、コウは…!」


ホアキンが、コウを心配して言った。


「俺は、必ず行く! 早く行け!」


コウは、そう言って、ホアキンとメイファンを急かした。


ホアキンとメイファンは、コウの言葉に従い、通路の奥へと走った。その時、通路の天井から、隠し銃座が姿を現した。


ガガガガガガガ!


銃座は、自動的にコウたちに銃口を向け、発砲を開始した。コウは、素早く地面に身を伏せた。銃弾が、コウの頭上をかすめ、壁にめり込んでいく。


「くそっ…! まだあるのか!」


コウは、銃座を睨みつけ、FN SCARを発砲した。**パン!**と乾いた音が響き、銃座のセンサーを破壊した。しかし、銃座は、まだ動いている。


その時、メイファンが、懐からもう一つのEMP発生装置を取り出し、銃座に投げつけた。**パチパチパチ…!**という音が響き、銃座は、動きを止めた。


「…助かったぜ!」


コウは、メイファンに感謝の言葉を口にした。


「礼は後だ! 早く行くぞ!」


メイファンは、そう言って、コウの手を掴んだ。


コウは、メイファンの言葉に従い、通路の奥へと走った。彼らの背後では、クロエとマルタが、護衛たちを相手に、激しい銃撃戦を繰り広げている。


「クロエ! 行くぞ!」


マルタが叫び、クロエを急かした。


「ああ! 最後の奴だ!」


クロエは、そう言って、最後の護衛に、AA-12を発砲した。**ダダダダダダダ!**という怒号が響き、護衛は、血を噴き出して倒れた。


コウ、メイファン、ホアキン、そしてクロエとマルタは、通路を走り続け、やがて、イリーナの城塞の内部へと辿り着いた。


そこには、今までとは比べ物にならない、厳重な警備が待ち構えていた。通路の先には、武装した護衛たちが、まるで壁のように立ちはだかっている。


「…クソッ…! まさか、こんなに…!」


コウは、絶望的な表情を浮かべた。彼の心には、怒りと絶望が渦巻いていた。彼は、自分の無力さを呪った。

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