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第百八話:防弾の盾

マルタは、ホアキンをクロエに託し、地下通路を駆け抜けていた。背後からは、ロベルトの私兵たちの銃声が絶え間なく聞こえてくる。クロエは、ホアキンを抱えながら、マルタの後を必死で追いかける。ホアキンは、足に銃弾を受けたため、歩くことができず、クロエに抱えられていた。


「…クロエ。そのバッグを、盾にしなさい!」


マルタは、叫んだ。クロエは、マルタの言葉に従い、背負っていた大きなバッグを、身体の前に構える。そのバッグは、クロエが常に持ち歩いているものだったが、実は、その内部には、二丁のMAG-7が隠されており、バッグ自体が防弾仕様となっていた。


ダダダダダダダダダダダッ!


背後から、銃弾が飛来する。銃弾は、クロエのバッグに当たり、火花を散らした。しかし、バッグは、銃弾を弾き返し、クロエは、無傷だった。


「…すごい…!」


クロエは、驚きと同時に、安堵の表情を浮かべた。彼女は、マルタの指示に従い、バッグを盾にしながら、ホアキンを抱え、さらに奥へと進む。


マルタも、同様に、自身のバッグを盾にしながら、応戦する。彼女のバッグの中には、S&W ASアサルト・ショットガンが分解された状態で収められていた。彼女は、バッグを盾にしながら、グロック19で応戦する。


パン!パン!パン!


立て続けに、銃声が響く。マルタの銃弾は、男たちの頭部や胸部を正確に撃ち抜いた。男たちは、次々と倒れ込んでいく。しかし、男たちの数は、あまりにも多い。マルタは、弾切れを起こし、その場に立ち尽くした。


「…ちくしょう…!」


マルタは、舌打ちした。その時、ロベルトの私兵の一人が、マルタの死角から、彼女に近づき、AK-47の銃口を彼女の背中に向けた。


ドガガガガガガガガガガッ!


その時、男の身体に、無数の銃弾が命中した。男は、悲鳴を上げる間もなく、その場に倒れ込む。マルタが振り返ると、そこに立っていたのは、コウだった。彼の手に握られているのは、AR-15カービンだ。彼は、マルタを援護するために、駆けつけてくれたのだ。


「…コウ!なぜ、ここに…!」


マルタは、驚きと同時に、安堵の表情を浮かべた。


「…マルタ。メイファンが、ロベルトの部下たちが、この廃工場に集結していることを突き止めたんだ。それで、急いで駆けつけた」


コウは、そう答えると、AR-15の銃口を、ロベルトの私兵たちに向け、発砲した。


ダダダダダダダダダダダッ!


立て続けに、銃声が響く。コウの銃弾は、次々と男たちに命中し、彼らを倒していく。マルタは、その隙に、バッグから、S&W ASアサルト・ショットガンを取り出し、組み立てる。S&W ASは、特殊なカスタムが施されており、数秒で組み立てることが可能だった。


「…コウ。援護するわ!」


マルタは、コウに告げると、S&W ASを構え、ロベルトの私兵たちに照準を合わせた。


ドカッ!ドカッ!ドカッ!ドカッ!


マルタが、引き金を引く。S&W ASから放たれた弾丸は、男たちを容赦なく撃ち砕いた。その威力は、凄まじく、男たちは、まるで、木の人形のように、その場に倒れ込んでいく。


「…くそ…!」


ロベルトの私兵たちは、マルタとコウの火力の前に、為す術がなかった。彼らは、逃げ惑い、次々と、地下通路の奥へと逃げ込んでいく。


「…マルタ。ホアキンとクロエは…?」


コウは、マルタに尋ねた。


「…彼女たちが、地下通路の奥へと向かったわ。追うわよ!」


マルタは、そう叫ぶと、再び、走り出した。コウも、彼女の後を追う。


二人は、地下通路の奥へと進んでいく。通路の奥には、エレベーターがあった。エレベーターの前には、ホアキンとクロエが待っていた。


「…マルタ!コウ!」


クロエは、二人の姿を見て、安堵の表情を浮かべた。


「…無事か?」


コウは、ホアキンに尋ねた。ホアキンは、コウの質問に、小さく頷く。その時、エレベーターの扉が開き、中から、メイファンが姿を現した。彼女は、ロベルトの私兵たちを、全員、倒したのだろう。彼女の顔には、微塵の表情の変化もなかった。


「…メイファン。お前も、無事だったか…」


コウは、安堵の表情を浮かべた。


「…コウ様。マルタ様。ホアキン様を、無事に、ロベルト様のもとから、連れ出すことができました」


メイファンは、そう答えると、コウに深々と頭を下げた。


「…メイファン。ありがとう…」


ホアキンは、メイファンに、感謝の言葉を述べた。メイファンは、ホアキンの言葉に、小さく頷く。


その時、エレベーターが、再び、動き出した。エレベーターは、地上へと向かう。エレベーターの中では、マルタとクロエ、そして、コウとメイファンが、ホアキンを囲んでいた。ホアキンは、足に激痛を感じながらも、安堵の表情を浮かべていた。彼は、もう、一人ではなかった。彼は、彼を守ってくれる、信頼できる仲間がいたのだ。


エレベーターが、地上に到着した。エレベーターの扉が開くと、そこには、ロベルトの私兵たちが、待ち構えていた。彼らは、ロベルトの増援部隊だった。彼らは、マルタたちの姿を見るやいなや、一斉に、銃を構えた。


「…マルタ…!コウ…!メイファン…!お前たちを、ここで、始末してやる!」


ロベルトが、背後から、現れた。彼の手に握られているのは、FN SCAR-Lだ。彼は、獰猛な笑みを浮かべ、彼らに告げた。


「…ロベルト。あなたには、ホアキンを傷つける資格はない」


コウは、ロベルトに告げた。彼は、ホアキンを、最後まで、守り抜くことを誓った。


「…コウ。お前が、ホアキンを裏切ったように、私も、お前を裏切る」


ロベルトは、冷たく言い放った。彼は、SCARの銃口を、ホアキンに向け、引き金を引こうとする。


ドガガガガガガガガガガッ!


その時、ロベルトの頭部が、吹き飛んだ。ロベルトは、悲鳴を上げる間もなく、その場に倒れ込んだ。ロベルトの私兵たちは、驚いて、銃を構える。しかし、彼らが振り返ると、そこに立っていたのは、ホアキンだった。彼の手に握られているのは、クロエのバッグから取り出した、二丁のMAG-7だ。彼は、二丁のMAG-7から、弾丸を乱射し始めた。


ダダダダダダダダダダダッ!


立て続けに、銃声が響く。ホアキンの銃弾は、次々と、ロベルトの私兵たちに命中し、彼らを倒していく。ホアキンは、ロベルトの私兵たちを、一人残らず、始末した。


「…ホアキン…」


マルタは、驚きと同時に、恐怖の念を抱いた。ホアキンの瞳は、冷たく、そして、何も映していなかった。彼は、まるで、人間ではないような、冷酷な殺戮者へと変貌していた。


ホアキンは、二丁のMAG-7を、その場に落とすと、マルタに近づいた。彼は、マルタの肩に手を置き、微笑む。しかし、その微笑みは、冷たく、そして、ゾッとするようなものだった。


「…マルタ。僕を、見捨てないで…」


ホアキンは、静かに囁いた。その声は、優しかったが、マルタには、ホアキンの心の奥底に潜む、深い闇を感じずにはいられなかった。


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