春、爆音、プレハブにて。
玲の初スタジオと同時刻、場所は変わってプレハブスタジオ。
伊月たちのバンドが遂に...!
「叫べ!ライオット」始まります!
「お前らは本当に手がかかる」
「うす。すんません。」
「本当に悪いと思ってるか?」
「・・・」
「わかっているだろう?
これ以上問題を起こせば私でも庇いきれん。
自分で自分の首を絞めるな。」
―間宮からの新歓ライブの件の説教で
伊月たちのバンド『Clown Crown』は
プレハブスタジオの使用時間は本来、
17時15分から18時30分だったはずだが...
気がつけば現在時刻は17時40分。
「よし!マミセンもいなくなったし、プリプロすっか。」
ショートモヒカンのギタリスト
杉本悠はギターをチューニングしながら戯けて言う。
伊月は頭を抱えながらため息をついた。
「そうだな。普段何もしてくれねぇが、
こういう時だけしゃしゃって来やがる。」
「そう言わないね。
お前のせいでマミセンは仕事増えてるんよ。」
李暁明は幼少期に音楽プロデューサーである父の仕事の都合で日本へ移り住んできた。
雑誌主催のベースコンテストで学生ながら優勝した経験もある。
バスドラム、タム、スネア、のコンビネーションから
クラッシュシンバルが鳴った時、
楽器隊3人のジャムセッションが始まった。
きっかけを作ったのは、部長でもある佐久間莉沙。
この4人で昨年の閃光ライオットファイナルステージまで昇り詰めた。
しかしながら優勝は逃した。
素行の悪さでも有名なClown Crownだが、
プレハブでの練習にすら部員や興味本位で集まる生徒たちがいるほど圧倒的な演奏と人気があるのも事実だった。
少し遅れてギターを背負った伊月もセッションに加わる。
しかし手元にはマイクと
トンボのリーオスカー・ハーモニカ。
キーはG。
CM7 B7 Em7 G7とコードが進むジャジーでグルーヴィーなセッションは日が傾き始めていたのもあってセンチメンタルな雰囲気をオーディエンスに提供していた。
―伊月たちが練習を終え、
機材を片付けて帰る頃。
ベースを入れたギグバックを背負いエフェクターケースを
持った宙橋愛が一人でプレハブへ入って来た。
「海。部長。話しがある。」
作者です。今回のサブタイトルの元ネタわかる奴、大体友達。