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動かし方はダンスで

 オペレーターに誘導されながら、人型を訓練場に移動させる。

 訓練場は、整備や開発等を行うステーションの多くを使っている為、とても広い。

 訓練場の奥には、重力下での実践を想定して訓練する為か建物が見える。

「今日中に、人型に慣れてもらう。壊さなければ、どのような動きをしても構わない。」

 オペレーターからの通信が、いつの間にか白衣の男との通信に変わっていた。

 壊さなければ好きにして良いという事で、私は操縦桿を握り、心を落ち着かせる。

 人型の足を、ゆっくり動かす。

 私の操る人型は、舞踏会で踊る社交ダンスのように軽やかに踊りだす。

 普通の人で、あれば決してやらない。

 むしろ、出来ない。

 それを、私はやる。

 人型を踊らせる事によって、様々な関節を動かし、人型の独特な癖を知る事が出来る。

 私は、決してふざけているわけではない。

 私は、自分の体に人型の動きを覚えさせる為にやっている。

 これは、私が宇宙に来て日が浅く作業用マシーンになれない頃に、今は亡き先輩に教わった、一風変わった作業用マシーンなどの機体に慣れる為の方法。

「ダンスとは、何とも面白い事を考える。」

 今日中に慣れろと言った、白衣の男が通信を入れてくる。

 私は、人型を止める。

「申し訳ありませんが、少しでも早くなれる為に集中させてください。あなたが、一方的に話すのは構いませんが、私は一切返事を返しませんので。」

 私は白衣の男に断りを入れ、人型を再び踊らせ始める。

 私は、時間を忘れて人型を踊らせ続ける。

 人型の足の動きや手の動きは、思ったよりは複雑ではない。

 スラスターを使わない状況での動きは、覚えた。

 私は人型にダンスを踊らせるのを止めて、側転、前方宙返り、後方倒立回転とび、後方宙返りを連続してやってみる。

 側転、前方宙返り、後方倒立回転とび、後方宙返りをやってみて操作感に特に問題は見られなかった。

 しかし、アクロバティックな動きは、人型の関節部にはそれなりに負荷がかかっているようだった。

「おや、もう慣れたのか。さすがと、言うべきか。明日、今日と同じ時間に人型の前まで来てくれたまえ。」

 私はオペレーターに従い、人型を元の位置に戻してコックピットから降りる。

 すると白衣の男が私の降りた人型に近づき、慌しく部下に指示を出し始めた。

 白衣の男とその部下達は、人型のデータを解析し始めた。

 私が離れた所で見ていると、白衣の男は部下達指示を出し交換用パーツを用意させていた。

 人型の整備は専門家に任せて、私は整備や開発等を行うステーションを後にした。

 自室に戻り、部屋の重力を無重力にして私は部屋の中を漂う。

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