マザーステーションに向けて
「私に、過失ないし。それにミカン箱で、旧型と言っても軍事衛星とはやりあえないでしょ。」
ちなみに、ミカン箱は作業用マシーンの別名。
作業用マシーンが、箱型なのでそう呼ばれている。
モニターは正面のみで、見える範囲もそんなには大きくない。
コスパが良いらしく、量産に向いているタイプ。
さっきの0ナンバーは、試作0型。
作業用マシーンは、試作0型が10機。
正式採用型の1型が、50機。
1型の改良版の2型が、絶賛量産配備中。
それに加え、人型を開発してるとの噂を聞いた事がる。
人型のテストパイロットがステーションに来たばかりの軍人らしく、無重力に慣れていない為に開発が遅れているとも聞いた。
軍人がテストパイロットをしていると言う事は、軍用なのでは?
と、思ったけど、作業用マシーンではスペースデブリ回収などの作業に限界がある。
作業用マシーンのアームでは、掴みにくい物も多い。
それに今回の旧型の軍事衛星が相手だと、ハッキング対策や攻撃回避など色々やる事が多い。
しかしながら、作業用マシーンの動きは俊敏ではなく、簡単に蜂巣になるのが目に見えている。
「旧型の軍事衛星を処分しないといけないのは変わりないですし、噂の人型でも使わせてもらえるんじゃないですか?」
「ミディア、人は欲が多いと、手に入ったものを見た時にそのギャップで落胆するもの。噂や憶測の域をでない人型とか、現実的じゃない。射程の長い火器使用許可ぐらいは、欲しいところけど。」
ミディアに軽い忠告をしているうちに、マザーステーションに到着した。
「リトリス、マザーに着いたよ。」
私は、先程脱いだ宇宙服を着る。
「ミディア、悪いけど酸素供給用ボンベもらうよ。」
「どうぞ、ご自由に。」
「サンキュー。」
私は、ミディアの頬にキスする。
「うちは、報告あるからここからは別行動だね。」
マザーステーション内に入り、ミディアと別れた。