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旧と言っても…。

 宇宙開発が活発となった時代、人類の宇宙への移住計画が進んでいた。

 しかし、地球周回軌道には、数多くのスペースデブリが存在している。

 手袋やネジ、ナットなど、過去の打ち上げ実験などで打ち上げられた衛星もその1つである。

 宇宙移住計画の初期段階として、この数多くのスペースデブリを宇宙用作業マシーンで回収分解解体廃棄をする事になった。

 そして、私はそのスペースデブリ回収作業を行う作業員の1人。

 それが事の始まり。

 よりにもよって、旧型の軍事衛星という、とても厄介な物の解体を任されてしまった。

 この旧型の軍事衛星は極秘に打ち上げたようで、全世界のデータベースから見つけた情報によると、防衛機能が備わった軍事衛星らしい。

 長い年月経過していて、防衛機能は動いていないと上層部が判断した為、私の単独で作業となった。

 もちろん、すごく嫌な予感がしていた。

 私は、宇宙用作業マシーンを積んだ単独作業用船で、マザーステーション出た。

 そうそう、マザーステーションとは、メインステーションの事で衣食住のすべてを行う事が出来る所。

 ステーション内では、最も古いステーションとなっている。

 マザーステーションは、もともと宇宙訓練用として作られたステーション。

 その為、長期滞在が出来るように様々な施設がある。

 話を戻して、私はマザーステーションを出て、作業現場である旧型の軍事衛星に近づいた時、船内に複数の警告音が響いた。

 私は急いで警告音の原因を調べた。

 原因は、旧型の軍事衛星からのハッキング。

「やられた。」

 船の操縦桿は動かしても反応がない、船外に出る為のドアも完全にロックされている。

 船外作業用の宇宙服を着て、ドアの手動解除用ロック外し、手すりにワイヤーフックを引っ掛けドアを勢いよく蹴りドアを開ける。

 ドアは、開くと同時に勢いよく宇宙空間に投げ出された。

 私は船外に吸い出されないように、必死に手すりに掴まり空気の吸い出しが治まるまで耐える。

「スペースデブリ増やしてごめんなさい。でも、緊急事態だから許して。」

 吸い出しが治まり、私は船に固定されている作業用マシーンのロック四つを手動で外し、船に繋がれたワイヤーフックを宇宙服側から外し、作業用マシーンに乗り込んだ。

 作業用マシーンは、旧型の軍事衛星からのハッキングをまだ受けていなかった。

 とりあえず、旧型の軍事衛星のハッキング可能領域から離れないといけない。

 私は作業用マシーンの操縦桿を動かすが、まったくと言っていいほどに反応がない。

「こ、このポンコツが!!」

 姿勢制御用スラスターのペダルも、反応がない。

 緊急時に使う加速用スラスターのボタンを押すも、一秒だけスラスターが点火されただけだった。

 作業用マシーンは正面しか映し出されない為、後方にあるハッキングされた船がどうなったかは分からない。

 私は、作業用マシーンのハッチを開けて後方の船見る。

 船は、旧型の軍事衛星へ向かい進み続けている。

 そして、閃光と共に船は旧型の軍事衛星から攻撃され始めた。

「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!」

 まったく動かない作業マシーンにいたら、射程範囲が分からない旧型の軍事衛星からの攻撃を受ける可能性がある。

 作業マシーンは、一秒のスラスター点火でかなりゆっくり移動している。

 私に、考えている暇はない。

 私は生き残る為に、賭けに出る。

 それが最善の選択だと思うしかない。

 私は作業マシーンで、遭難信号を発信する。

「よし、あとは察してもらうしかない。」

 作業用マシーンの外に出て、ワイヤーフックで作業用マシーンと私の体を固定する。

 そして、マザーステーションの位置を確認する。

 宇宙服の機能で、マザーステーションの位置は簡単に分かった。

 作業用マシーンに着けたワイヤーフックを外し、マザーステーションに向かって作業用マシーンから宇宙空間に飛び出す。

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