やる事がない一日
休みだと言うのに、習慣でいつも通りに目が覚めてしまった。
特に寝不足でもなければ、不健康でもない。
ベッドから起き上がり、冷蔵庫からゼリー飲料を取り出し数秒で飲み干し、そのゴミをゴミ箱に捨て、着替えを済まし部屋を出た。
今日は特に予定はなく、どう過ごすか悩む。
そういえば、気になっていたけれど足を運ぶことがなかった、サブステーションがあった事を思い出した。
そのサブステーションは、本や模型など趣味に特化したステーションになっている。
いつもは通り過ぎるだけで、立ち寄った事のないサブステーション。
今の私は暇なので、時間を消費するのには丁度良いのかもしれない。
私は、趣味に特化したサブステーションに向かった。
趣味に特化しているサブステーションに着いて辺りを見回すと、自動車や蒸気機関車などが飾ってあって、とても不思議空間になっている。
様々な趣味に特化した店が並んでいるけれど、無趣味な私にとって、特に目を引くものがない。
ミディアに言わせれば、『見た目は悪くないのだから、少しは着飾るべき』と言われているけれど服やアクセサリー関係にも、私は全く興味ない。
なので、髪は適当に買ったヘアゴムで適当に結ぶだけで、服も作業用つなぎだけ。
サブステーション内の店を眺めながら歩いていると懐かしい物を発見した。
アーケードゲームなどがたくさん並んでいる、ゲームセンターがあった。
しかも、私が好きなパンチングマシーンとキックマシーンがある。
私は、キックマシーンをやる事にした。
ポケットから小銭取り出しキックマシーンに入れる。
キックマシーンのパット部分が、中央に移動して音楽が鳴り始める。
このタイプのゲームは、助走をつける事やバック部分を最後まで手や足で押し込む事がタブーになっている。
その為、その場で蹴ったり、殴るのが常識。
とはいっても、軽く準備運動をしてからやらないと体を痛める事になるので、私は軽く準備運動をしてから、バック部分を蹴った。
バコン!!と言う音と共に、パット部分が横に倒れて衝撃吸収のクッションにあたり跳ね返る。
「あ……。」
バック部分の棒が折れ、パット部分が床に転がっている。
キックマシーンから、警告音が鳴り始める。
どうやら、私は力を入れすぎたみたいだ。
警告音聞き、ゲームセンターの店員が飛んできて、私は平謝りした。
地球にいた頃から、こう言ったマシーンは壊してしまう事があるので、私が出入り禁止になった場所が数知れない。
特に筋肉があるわけでもなく、武術を習っていたわけでもない。
私が持つ、元からの身体能力なのだろう。
その為、学生時代は良く面倒ごとに巻き込まれた。
私自身手加減をしていても、その加減が甘く何人も病院送りにしたこともある。
ゲームセンターの店員は、「近々新しい物が地球から届く予定だった。」との事で、修理代はいらないと言われてしまった。
私はやりすぎてしまった事を反省しながら、ステーション内を見て回るのを再開した。
途中で本屋を見つけて、ファッション雑誌を何となく立ち読みしたり、模型店で作業用マシーンのプラモデルが売られているのを見つけたりと、休み十分なくらい堪能した。
部屋に戻り、端末を見るとジェイニーからメールが来ていた。
内容は、『パイロットスーツを、用意した。サイズや着心地の確認の為、明日は少し早めに来てくれ。』と言うものだった。
私は『分かりました。』と返信して、ベッドに横になった。