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昨日とは別物?

 真紅を起動させる。

 動力炉がAECに変更されたことにより、昨日とは駆動音が違う。

 立ち上がるシステムも、AECに合わせたものに変更されている。

「リトリス作業員、真紅の動きにおかしな点があったら報告してください。」

 私は真紅を軽く歩かせ、各部不具合がないか動かしてみる。

 背中に大型スラスターウイングを搭載してあるけれど、重心が後ろに持っていかれる事は特にない。

「各部、問題はありません。あっても、少しの誤差の範囲です。」

「分かりました。そうしましたら、先日使用した、広場に真紅を移動させてください。」

 オペレーターに言われた通り、昨日の広場まで真紅を移動させる。

「移動を確認しました。それでは、空戦にスラスターが多く追加されましたので、スラスターを使用し不具合がないか報告してください。」

 昨日は一切スラスターを使用しなかったけれど、今日はスラスターのテストも行うみたいだ。

 とりあえず、真紅を前後左右上昇下降の一通りの動きを、スラスターを使用して試してみる。

 スラスター移動は、作業用マシーンでは基本だった為か、真紅で操作をしても特に違和感はなかった。

 作業用マシーンと違い、真紅は人の型になった分、独特の癖は出てくる。

 これは、慣れで何とかなる問題。

 昨日のデータを元に関節部が強化されている為か、駆動部の反応が昨日以上によくなっている。

 そうなってくると、昨日はそれほど感じなかった、モニターの狭さを感じる。

 空中で動き回るとしたら、上下左右前後と範囲が広がる為に、現状のモニターでは死角が多くなる。

 作業用マシーンでもその点では悩まされたけれど、ロックオンアラームなどのアラームで何とか対処してきた。

 しかし、真紅は作業用マシーンの倍以上の大きさになる為、ロックオンアラーム等で対処するのにも限界が出てくるし、見える範囲は広い方がいい。

「えっと、現状のモニターだと死角が多い為、転倒や建物等にぶつかる可能性が高いと思います。」

 そういえば、作業用マシーンはモニターが小さかったけれど、装甲を厚めに作られていた為、多少スペースデブリに当たっても問題はなかった。

 真紅の装甲がどれほどの強度なのか私は知らないけど、真紅の動きが軽やかな事から、もしかすると作業用マシーンより装甲が薄い可能性もある。

「報告確認しました。それでは、次のテストに移行します。一度、格納庫に戻ってください。」

 オペレーターに言われた通り、真紅を元の格納庫まで移動させる。

 格納庫に戻ると、出る時にはなかった大型コンテナが置かれていた。

「聞こえるか、リトリス作業員。そのコンテナ内にライフル、ハンドガン、バズーカ、スナイパーライフルの4種類が入っている。これから、射撃テストに移行する。実弾は、バズーカのみ。他の3つは、ビーム使用になっている。」

 白衣の男は、大型コンテナの上から話しかけていたと思うと、大型コンテナから離れどこかに行ってしまった。

「リトリス作業員。これより、射撃訓練場へ誘導します。」

 私はため息をつき、真紅で大型コンテナを持ち上げ、オペレーターの誘導に従い射撃訓練場に移動した。

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