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「お、リトリス、さすがに戻ってた。で、なんで床に倒れてるの?」

「さっきまで、無重力だった……。」

「あ、ごめん。」

 床に倒れている私に、ミディアが謝る。

「別に、大丈夫。」

 私は上体を起こして、床に座る。

「人型はどうだった?」

「操作系は、ミカン箱と同じもの使ってた。多少、癖はあるけど、ミカン箱使ってる人はすぐに慣れると思う。」

「そうなんだ。人間関係は、面倒くさそうだけど。」

「否定はしない。私は、スペースデブリ処理してた方が楽でいいわ。」

 私は床から、ベッドに座りなおすと、ミディアは私の隣に座った。

「でも、最新鋭機だから、ミカン箱が不満な作業員は人型に乗りたいと思ってるよ。」

 スペースデブリ回収の作業員に、作業用マシーンへの不満を持っている人は多いと聞いている。

 確かに、作業用マシーンは不便な点はある。

 しかし、作業用マシーンの約5倍の大きさの人型に乗り換えたいかと言われると、私は考えるだろう。

「私は、交代できるならお願いしたいぐらいだけど。」

「それは、無理だろうね。ご指名だもの。」

「ですよね~。」

「リトリスから見て、人型は量産化されそう?」

 私は今日の事を思い出す。

 動かし方を覚えるだけだったけれど、関節部への負荷データも見ていたようだから、もう少し実践的な操縦をしてみないと分からない。

「今の所は、無理だと思う。」

「詳しく。」

「人型は、3機あるんだけど。私以外の2機は、転倒時にできた擦り傷とかが多かった。けれど関節部のメンテナンスとかは一切行われていなかった。」

「つまり?」

「歩かせるのも、やっとってところだと思う。」

「なるほど。」

「軍だけで開発進めてたら、人型の開発は相当時間がかかる。」

「リトリスの開発への貢献に期待しつつ、気長に待ってるよ。」

「開発中止にはならないように、頑張るよ。」

 私の一言に、ミディアは苦笑いしながら私の部屋を出て行った。

 少し前までのしんみりとした空気は、ミディアが来てくれたおかげで何処かに吹き飛んだ。

 ミディアが帰って、特にする事もなくなったので、今日は明日に備えてベッドに横になった。

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