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繰り返される婚約破棄

閲覧ありがとうございます。

こうして私は三度に渡り妹に婚約者を奪われた訳だけれど、何とこの負の連鎖はこれだけでは終わらなかった。


 二度あることは三度あるというように、4度目、5度目、6度目………と繰り返される。


 代々文官を務める男爵家の次男。


 平民出でありながら準男爵まで上り詰めた官僚。


 お二人共、とても優秀で国の発展を心から願う素晴らしい方だったけれど、結局マデリーンとの恋に落ちてしまった。


 3度目までは私はまだまだ能天気に構えていた。私と婚約した方ばかりががマデリーンと恋に落ちる……。

 そういうこともあるのだなぁ、などと馬鹿みたいに考えていた。

 だけど四度目からさすがにこれは可笑しいのではないかと疑い出す。


 そもそも姉の婚約者と恋に落ちるのなんて一度でもよっぽどの醜聞だ。


 二度とそんなことがないように、両親は私の婚約者とマデリーンが極力顔を合わせないですむように気をつけていた。


 それなのにマデリーンは私と婚約者が交流を深めるお茶会に顔を出し、私が居ない隙を見て仲を深めていく。


 時には婚約者の職場前で、時には婚約者の行きつけのカフェの前で……。

 流石に鈍い私もマデリーンの悪意に気付き出した。


 なにせ「運命の恋なのです!!」「私が悪いのです!!」


 と泣いて詫びる癖に、同じ過ちを繰り返すのだから……。

 

 実際マデリーンにとって運命の恋とはどれ程の物なのだろうとも思う。

 短期間にコロコロと変わる運命にどれ程の重みがあるのだろうか?


 彼女の言葉を鵜呑みにして、醜聞を厭わずにその手を取ったかつての婚約者達は今は社交界でいい笑い者だが、私を裏切った報いだと責める機にはなれなかった。

 

 将来を約束された彼等が醜聞の的になってしまったのは、私達姉妹の諍いのせいなのだから……。

 

 それにしても、良くもこれだけ略奪したものだと妹には関心さえ覚える。

 一度目の婚約者である公爵令息に始まり、段々と私に来る縁談は爵位が下がっていた。

 

 当然だろう、婚約破棄を繰り返す令嬢に条件の良い縁談ばかり続く訳がない。

 

 私にとっては誰も彼も素敵な方だったが、貴族令嬢としてはやはり高位貴族に嫁ぎ、社交界で高位貴族婦人として振る舞うことは一種のステータスといえることだ。

 

 それにも関わらず、マデリーンは私の婚約者を次々と略奪していく。

 

 私を不幸にするつもりかもしれないが、自分の将来も潰していることに気付いていないのだろうか?


 次々と相手を乗り換えて、しかもその理由を相手のせいにしているのだからきっと元婚約者達に復縁を頼んだって断られるだろうに……。

 

 それともあの妹は自分の将来を犠牲にしてでも私に嫌がらせをしたいのだろうか?


 お父様とお母様もどうしてこんな事になったのかと困惑している。

 

 私だってこれまで仲の良い姉妹だと思っていただけに、妹の行いはかなりショックだった。


 ずっと嫌われていた?それとも人の物を欲しがる病気?

 巷でそういう病があると聞いたことがある。

 だとしたらマデリーンには治療とカウンセリングが必要なのかもしれない。


 誰かに相談したいけれど、伯爵家の醜聞を晒すことになる可能性もあるから相手は良く選ばなければいけない………。

 

 

 こんな事が続くのなら、しばらくは私の婚約はお預けにした方が良いのかもしれない。

 マデリーンが落ち着かないと新たな犠牲者が増えるだけなのに、お父様はこんな状況でも次々と新たな婚約者を見つけてくる。

 その手腕には脱帽ものだ。ここまで評判を落とした、これといって旨味のない伯爵家にあいてを見つけてくるなんて、お父様は伯爵を辞めてもきっと結婚相談所なんかを開けば食べていけるのではないかしら?


 だけど10回目の婚約破棄に至った時、いよいよ婚約の宛がなくなって来た。

 仕方のないことだ。我が家は婚約という契約にはもう全く信用が亡くなってしまった。

 これはもう、行かず後家として暮らして行くしかないと覚悟を決めた時に、最後の砦とばかりにお父様がとある商会の跡取り息子との縁談を持ちかけてきた。


  

 小さくもないが大きくもない平民が営む商会。

 

 それにどちらかと言えば庶民的な物を扱う商会で貴族との関わりは薄かった。


 当然そこに嫁げは社交界との縁は切れるだろう。

 できればお父様もそんな縁談は勧めたくなかっただろう。

 だけどこのまま未婚でいるのも外聞が悪いし、私が落ち着かないことには妹も落ち着かない。

 

 さすがに平民の婚約者を奪う真似はしないだろうとの考えもあって、何度かのかお合わせの末に私は商会の跡取り息子と婚約することになった。




閲覧ありがとうございました。

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