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残酷にも淡々と過ぎていく日常
「折角一人暮らしなのにっ。」
些細な言葉。また傷ついて苦しくなっている。仕事で疲れている彼、どうか気づかず眠っていてほしい。
でも本当は。
どうしたの、って気づいてほしい。
さっきは言い過ぎた、って抱き寄せてほしい。
頭のすぐ後ろ、すやすや寝息を立てる彼は現実で、今にも泣き出してしまいそうになる。
一人暮らし、その言葉はひどく私の心に引っ掛かったまま、消えてはくれない。彼の前提に私はいないのだ。
眠れない夜にまたひとつ飲み込んで、下手くそに生きていく。