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住み込み?

「――と、まぁ、こんな感じなんですけど」


 ご飯を食べながらイルミはルリにコーデリアが泊まる場所について相談をしていた。勿論(もちろん)、レイヴァンからの依頼の事はボカしてだが。


「別にそれくらいいいだろ――と言いたい所だが、丁度良い。お前ら二人ともこの店で、住み込みで働いていきな」


「す、住み込みですか?」


「人手はいつでも足りてないからね。アンタ、飲食店で働いた事あるかい?」


 ルミはコーデリアに聞くが、貴族の娘がバイトなんてした事もなく。


「いえ、ないです」


「だろうね。じゃあ、イルミ、お前が仕事を教えてやりな。連携で一番の基本は、店の仕事でも戦いでも、コミュニケーションだろ? それを鍛えるには丁度良い環境さ」


 (てい)の良いバイトの足前(たしまえ)にも聞こえるが、言っている事は理に適っているように感じる。それに、イルミの事を知って貰うならば、この店にいる時がいいだろうと、ルミは考えていた。


「でも、泊まる部屋は?」


「空き部屋がいくつかある。イルミは泊まった事あんだから知ってるだろ?」


 こっそりと聞き耳を立てていた、双子がまた近付いてくる。

何々? イー君、ウチに泊まってくの?」


「久しぶりだなおい! テンション上がるぜ!」


「だから働けって言ってんだバカ共!!」


「「イエス、マム!!」」


 風のごとく逃げていく二人。


「たく……で、どうする?」


「イルミに任せる」


「え、僕!? うーん……」


 バイト先には住み込みでなくとも毎日通っているイルミ。自分の家に彼女を泊める事はイルミの中でNGであるのは変わらない。だからと言って、貴族のお嬢様を街に放り出すのも気が引ける。それに、ルミの言うように、コミュニケーションを取る良い機会であり、この条件はイルミにとってもかなり都合の良いモノであるよである。


「……それじゃあ、よろしくお願いします」


 それらを加味(かみ)して、ルミの好意をイルミは受け入れる


「ん、アンタもいいかい?」


「はい、よろしくお願いします」


 コーデリアは深々と頭を下げる。


「じゃあ、それ食ったら準備しな、アンタの従業員の服は用意させとくから」


 そう言った後に「おい、リディア!」と娘を呼びつけ、コーデリアの服の用意を命令すると、厨房に再び戻っていった。


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