生徒会長の恋
生徒会長。
生徒達の中で一番上に立つ、そんな存在。
だが、生徒会長とて人の子。
普通の人みたく恋もする。
これは、とある少女に恋をするまでに至る、とある生徒会長の物語である
生徒会長の恋
主演・語り手:大村充
あれは、俺が高校二年生の時であった。
高一の頃から生徒会として活動してきた俺は、その年も生徒会副会長を務めていた。
その年に、彼女―――真鍋瑞穂が入って来たのである。
「真鍋瑞穂です。書記として生徒会に入りました。分からないこととかもあるかもしれませんが、
どうかよろしくお願いします」
瑞穂のはじめの挨拶は、このような感じであった。
この時の俺は、まだ瑞穂のことなどどうでもいいといった感じであった。
何故なら、この頃の俺は、他人になど興味なかったからだ。
今よりも、周りに冷たく当たっている。
そんな時期だったからだ。
「……ふん」
だから俺は、その時こそ冷たくあしらっていた。
「大村先輩でしたっけ?一年間よろしくお願いします」
「ふん……精々この一年間だけでも頑張って働くんだな」
俺と瑞穂の始まりの会話は、こんな感じだった。
今思うと、何であの時あんな態度を取っていたのだろうか?
現在の俺の考えとはまったくま逆な……そんな態度。
と言うか、どうしたら今の俺になれるのかが分からない程だな
さて、俺が瑞穂のことを気になり始めるのには、そう難しいことがあったわけではなかった。
「先輩」
何を思っていたのか。
瑞穂は、俺によく話しかけてくるのだ(後ほど分かったことだが、自分より年上の人には全員に話かけることをしていたらしい。ちょっと恥ずかしいかもしれない)。
だが、俺は瑞穂のことを好きになったことに、後悔はしていない。
美人で、胸も大きい。
これで生徒会の仕事もきちんとこなし、八方美人。
人当たりもいいので、文句のつけようがない。
他人の欠点ばかりを探していて、その部分をとことん追及するタイプであった俺にとって、苦手なタイプであった。
だから俺は、コイツに欠点という物はないのかと、必死になって探していた。
当初はその目的だったのに、いつの間にか俺の心の中で、違う感情が芽生えてきた。
「(瑞穂について、もっといろんなことを知りたい)」
それは、何処からやって来た感情だったのだろうか。
そんなことを考えていた俺は、やがて瑞穂の人間性の良さ、性格の良さを知っていく内に、ドンドン惹かれていく自分がいることを自覚した。
「真鍋……瑞穂」
知らない内に、その名前を呟かない日がなくなった。
そして、その時にはこんな感情まで芽生えてきていた。
「(瑞穂を……俺の物にしたい!)」
この頃から、下の名前で呼ぶようになっていた。
その変化に、瑞穂は若干苦い顔をするが、この際気にしない。
そうして、高校三年生になって、俺が生徒会長になった時に。
「瑞穂……話がある」
俺はその日、いよいよ瑞穂のことを呼び出した。
場所は屋上……ベタで悪いかよ。
他に二人きりになれるような場所はないんだから。
この学校は、何故か屋上への立ち入りが禁止されていない。
だからだろうか、この場所に来る人って言うのは、あまりいないのだ。
「何ですか?大村先輩……いえ、今は会長ですね」
「どんな呼び方でも構わない……今日はお前に話があって、呼び出した」
「知ってます……それで、話というのは?」
瑞穂が、俺に尋ねてくる。
ああ……早く、俺の物に……。
「……会長?」
「あ、い、いや、なんでもない!……んで、話なんだが」
俺はついに、瑞穂に言う決意をした。
「俺は……お前のことが好きなんだ。付き合ってくれ!」
「……はい?」
言った。
ついに俺は言ってしまった。
……早く返事を。
「……すみません、先輩。私は先輩と付き合うことが出来ません」
「……え?」
時が止まる感覚がする。
俺は、どんな気持ちでこの言葉を受け止めたのだろうか?
今となっては、分かりたくもない。
しかし、一ついえるのは……俺はフラれたんだな。
「……好きな人とか、いるのか?」
俺の問いに、
(……コクッ)
瑞穂は顔を赤くしながら頷いた。
「……マジで」
この日、俺は確かにフラれた。
しかし、だからと言って諦めるわけにはいかない。
俺はこの日、そう誓ったのだった。
さてここで、お久しぶりのキャラとの対談コーナーと参りましょうか。
健太「ど、どうも」
吉行「久しぶりだな」
うぃ~す、二人とも。
吉行「うぃ~すじゃねぇだろ。お前、アンケートの方はどうなってるんだよ」
……今の所は何票か貰ってますよ。
けど、なんだかまだ足りない気もしなくもないですが。
健太「なる程……なら、もう少し貰えるように努力するべきだね」
ですね……。
というわけで、どうかヒロインアンケートの方も、よろしくお願いします!!
健太・吉行「「よろしくお願いします!!」」
詳しくは、『私立相馬学園 ~a daily life~』にて。