生徒会の日常
生徒会のメンバーによる、日常。
彼らがいつも生徒会室で繰り広げている会話とは?
今回は、その話について語ることにしよう。
ただし、語り手は私ではない。
生徒会の日常
出演:生徒会メンバー
語り手:木村健太
僕が生徒会に入ってから数日が経過したある日のことだった。
「ふ~む……」
「どうしたんですか?先輩」
パソコン画面を凝視している先輩の姿がそこにはあった。
何を隠そう、彼こそがこの学校の生徒会長であり、大村充先輩だ。
「おお木村か……いやな、ちょっと困ったことがあってな……」
「困ったことですか?」
何なんだろう、一体?
僕は気になって、大村先輩の向かっているパソコンの画面を眺めてみた。
「……えっと、先輩?」
「何だ?」
「これは……一体……」
「ああ。これはだな……」
「なんてことしてるんですか先輩!!」
パソコン画面に映し出されている画像。
それは……。
「生徒会長ともあるお方が、副会長である真鍋の写真を使ってアイコラですか……これは生徒会長の職
を下ろすのに充分な証拠ですね」
「んなっ!?明久……いつの間に?」
まさか吉田先輩がそこにいるとは思っていなかったのか。
大村先輩は、驚きの顔を見せていた。
……正直、こんなものを見せられた僕の方が驚きだよ。
「真鍋がそう言った服―――メイド服とかナース服を着てくれないからって、どっから取ってきたかは
知りませんが、その写真に真鍋の顔写真を貼る……あまりいい趣味とはいえませんよ?」
「た、頼む!瑞穂だけにはこのことを言わないでくれ!!」
「それ以前に、女性人には言いませんから、大丈夫ですよ」
僕は大村先輩にそう言った。
しかし、吉田先輩はそれでは納得いかないようだ。
「……そういえば、玄関前の落ち葉の掃除、まだ誰もやってませんでしたね。先生が人手を探してる
最中だったような気が……」
「何か俺、無性に掃除がしたくなった!だから俺、今すぐ先生の所に行ってくる!!」
(ダッ!)
大村先輩は、そのまま生徒会室を出て行った。
「……吉田先輩、なかなか惨いことしますね」
「まぁ、ああでもしないと、会長を弄る機会なんてないからね」
「いや、会長なんですから、少しは慕いましょうよ」
まったく……吉田先輩という人は。
ひょっとしたら、隠れSなんじゃないだろうか?
「あっ!健太君に明久先輩!もう来てたんですか?」
「音羽さん!」
そこに入ってきたのは、音羽さんだ。
隣には、三倉先輩の姿もあった。
「よう三倉……」
「明久~♪この前の約束、覚えてる~?」
「この前の約束って……何ですか?」
まったく聞き覚えのない単語に、僕は少し疑問の色を見せる。
音羽さんも同じ様子だ。
「あ~約束って言うのはね~」
「言うな、三倉。恥ずかしいからな」
「恥ずかしい?」
「……なんでもない。早く仕事につけ」
「ていうか、会長がいないんですけど……」
音羽さんが、その事について尋ねる。
「会長なら、先ほど玄関掃除をしたいと言って、外に出て行ったぞ」
吉田先輩。
棒読みなんですけど。
「玄関掃除?なる程……さすがは会長です♪」
ええ!?
そんな反応するんだ!?
「どうしたの?健太君」
「いや、なんでもないよ……」
「いやぁ、会長は本当に人がいいですね」
「……吉田先輩、棒読みなんですけど」
追求したら、睨まれた。
だから僕は、それ以上何かを言うのをやめた。
だって、怖いんだもん。
「とりあえず、水島。お茶を頼むよ」
「分かりました♪」
「それと三倉。お前はちょっと頼みたいことがあるんだが、いいか?」
「分かったよ~♪」
吉田先輩は、歩美先輩に何かを言う。
すると歩美先輩は、どこかへ行ってしまった。
「何て言ったんですか?」
「会長と一緒に玄関掃除を手伝ってこいって言っといた……木村」
「何でしょう?」
「……これ、消すぞ」
「……はい」
その日。
大村先輩の立場は、守られたのだった。
ただ、数日後に大村先輩は、真鍋先輩のアイコラ写真が真鍋先輩にバレて。
しばらく声をかけてもらえなかったのは、言うまでもないだろう。
それにしても、三倉先輩と吉田先輩の間に結ばれた約束というのは一体なんだったのだろうか?
という訳で、番外編である『私立相馬学園 ~another tales~』の再開です。
開設してから相当の時間が空いてしまいましたが、本編終了ということで、再開することに致しました。
ちなみに、ヒロインアンケートはこちらでも受け付けております。
ドシドシご応募ください。
それでは。