ベスがいいなら反対はせんがな
「誰じゃ貴様は?」
部屋に入るなり王様と思われるおじさんにきかれる。
「私、昨日づけでエリザベス王女のボディガードになりました、タクトと申します。なにしろ、昨日召喚して頂いたばかりで、この世界のことはほとんどわからない所存です。以後お見知りおきを。」
俺は自己紹介した。
「フォッフォッフォッ。面白い奴じゃ。わしはこの国の王じゃ。ところで、お主は強いのか?」
やはりこのおじさんが王様なのか。強いとは聞いているから答える。
「強いときいております。」
「そうか、ならどう強いのじゃ?」
俺は困る。少し考えたあと、正直に話すことにする。
「それがわからないのです。」
説明しようと思ったが、その必要はなかった。
「なるほどな。昨日きたならそのようなこともあろう。ゆっくりと探ればよい。さて、飯も冷める、食べるとするかの。」
王様が言うので皆が座る。そして、王様が食べ始めてから皆も食べ始める。それがこの国、いや、どこの国でもか…兎に角それが礼儀とベスに先程言われていた。
「ところでベスよ。彼の部屋はどうなっておる。」
王様はベスにきく。ベスのことだから本当のことを言いかねない、と思っていたら、そのとおりだった。
「私の部屋です、父上。」
終わった。俺はここにはもう居れなくなる。そう思った。
「ベスよ、お前はもう少し美少女という自覚をもったらどうじゃ?お主もそう思うじゃろう?」
話の展開の仕方に驚いた。が、助かりそうで何よりだ。
「確かに、それは何度も思っております。」
俺は答える。
「じゃろう?まぁ、ベスがいいなら反対はせんがな。」
しないの?!そこしようよ!俺は思わず突っ込みそうになったが、なんとか、踏み止まった…
え、王様??いいのそれ?って感じですねwまぁ、先方の親父さんがそんなだと、男はたすかりますよね~w