流石に同じ部屋は…
「王女はまだかな?グヒヒヒ」
俺らが広場に着くと、まず耳障りな声が耳に入る。
「チッ」
ベスが舌打ちをする。
「おお!ベス王女ではないか?我がここに来た理由はわかっておるのだろう。グヒヒヒ」
オチヅ国の王子がベスに言う。
「だから、お断りしたじゃないですか。もう帰ってください。」
ベスはそう言って踵を返す。オチヅ国の王子はベスに駆け寄ろうとするが、俺が制する。
「お止めください。例え一国の王子でも、それはよろしくありません。」
「ああん?誰だお前は?」
俺はきかれたから答える
「ベス様のボディガードをしているタクトと申します。以後お見知りおきを。」
「止められたことと、ベス王女のボディガードってのが気に入らねぇ、殺すか。」
オチヅ国の王子は懐に隠していたナイフを抜く。そして、それを上段から俺に向かって降り下ろす、が、数秒後にはオチヅ国の王子が悲鳴をあげていた。俺はただ護身術で腕をきめただけだ。
「ボディガードを甘く見ないで下さい。自分の身くらいは守れないとボディガードなんてできませんよ。ベス様は帰るようにあなたに言いました。その様にしていただけますか?」
俺は丁重にお願いする。
「わかったから離してくれ。帰るから!」
俺は手を離す。
「またくるからな!」
オチヅ国の王子はそう言いながら帰っていった。
ーーベスの部屋で
「さっきはありがとう。」
とベス。
「へ?ボディガードってこういうことじゃないの?さては、惚れた?」
俺は当然のことをしたと思っていたからお礼を言われて困った。
「そんなんじゃない!けど、助けてくれたから。」
「はぁ。どっちかっていうと、俺を守ってたけどね。」
俺は言った。事実俺は俺しか守っていなかった。
「私がたすかったんだから、そんなのどーだっていいのー。」
ベスは少し膨れっ面をする。
「膨れっ面も可愛いな。」
「えっ?」
しまった、口に出てしまってたらしい。でも、ここは白をきることにする。
「何でもない。」
「え~、絶対何か言ったでしょ~」
まだ、膨れっ面を続けるベス。ご褒美かよ?
「そういえば、俺の部屋ってどこ?」
俺はきく。
「え?ここだけど?このベットの脇にある布団に寝てくれればいいから。もう寝よっか。」
とベス。
「え…まずいんじゃ…流石に同じ部屋は…」
「私がいいっていってんだからいいの!」
ベスは気にしてないらしい。まぁ、ベスがいいならいいかw俺は布団に潜り込む。「おやすみ、タクト」
「おやすみ、ベス」
俺は寝ようと思ったが、何かが落ちてくる。それがベスと気付くのには少し時間がかかった。まぁいいや、このまま寝よう…
王女様まさかの寝相wwこの後の展開が楽しみですねw