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タクトしか…
「タクト…」
手紙を読み終えた私は泣いていた…
召喚士の力が戻っている私はタクトの気配を探ってみる。
想像はしてた。タクトの気配は見つからない。それは私の召喚士の力がタクトを召喚する力に達していないからだ。
「お父様…ごめんなさい…少し1人にしてくれない…」
私はとにかくタクトに会いたかった。こんな感情は初めてだった。
「じゃが…1人で大丈夫かの?…」
お父様は言う。私は答えない。1人で大丈夫と言うと嘘だからだ。
でも、お父様がいても大丈夫じゃない。
「タクトしか…」
………
しまった。
心の中で言ったつもりの言葉が口から出てしまっていた。
しばらくの沈黙が続いた後お父様が口を開く。
「ベス…すまなかった。タクト君だけじゃよな…わしの配慮が足りなかった…」
そう言ってお父様は召使も全員連れて出ていってしまった。
「タクト…」
1人残された部屋で私は愛する人の名前を叫びながら号泣していた。




