ちょっと待ってよ…私お兄ちゃんがいないときとってもさみしかったんだよ?
俺は久しぶりの我が家を前に立ちすくんでいた。なんて言ってはいればいいのだろう…そもそもどれくらいの間家を留守にしていたのだろうか…時間の流れが一緒であるなら4日間留守にしていたことになるが…
しかしいつまでもこうしてはいられないので家に入ることにする。
「ただいま。」
そういってドアを開けると、
「え?!お兄ちゃん?!今までどこ行ってたの?」
と言って妹の美香が出てくる。
「ごめんな、美香。ちょっといろいろあってな。お母さんいるか?」
俺は少しごまかしながら美香に聞く。すると、美香が呼びに行く前にお母さんが出てきた。
「おかえりなさい。この4日間何をしていたかはお父さんから聞いたよ。もう戻ってこないと思ってたけど、よく帰ってきてくれたね。」
お母さんが言う。弱ったな…もう一度行くといいづらい雰囲気だ…と思っていると
「え、お父さんってなくなったんじゃ…」
そうだ、美香はまだ知らないのか、お父さんがあのユピテルってことを…
「そうね、美香にもそろそろ話すときね。」
と言ってお母さんが話始める。
「拓徒も美香も神様の子供なの。拓徒はユピテル、美香はゼウスの子。ユピテルもゼウスも同じ神様だけどローマの神様かギリシャの神様かの違いがあるの。」
どうゆうことだ…
「拓徒、よくわからないって顔してるわね。お父さんはどちらも同じなのよ。だけどあなたの時はローマの姿で美香の時はギリシャの姿だったってことよ。」
なるほど、そういうことか。
「ちょっと待ってよ。いきなりそんなこと言われても美香わかんないよ…」
確かにそうだ。俺だっていきなり親父に言われたとき到底信じることなどできなかった。しかし、いつまでもここにいるわけにはいかない。
「美香、ちょっと待ってくれ。母さん、俺話があるんだ。」
美香は少しふくれっ面だが…
「なんだい?」
母さんが優しく聞いてくる。このやさしさ反則だって…言いづらくなるじゃん…でも言わなきゃ。
「俺はもう一度行かなくちゃいけない。もう帰ってこれないかもしれない。けど、大切な人見つけたんだ。だから…」
そのあとの言葉が出てこない…なぜだろう…
「わかったわ…そこまでの人が見つかったのは母さんもうれしい。行っといで。」
母さんに言われ俺は涙が出てきた。なぜだ…なんで泣いてるんだ俺…
「ちょっと待ってよ…私お兄ちゃんがいないときとってもさみしかったんだよ?なのに行っちゃうの…それに帰ってこれないかもって…」
「美香…」
俺はとても申し訳なく思う…そうだった…異世界に行く前家の外の誰もがいじめてくる中この二人はずっと優しくしてくれていたんだ…
「嫌だ!行かないでお兄ちゃん!」
泣きながら美香が抱き着いてくる。家族はとても大事だ。でも、でも…
「拓徒、美香、お母さんから提案だよ。まず美香に聞くよ。美香はゼウスの子であることを信じることができるかい?」
(いや、無理だろ。)俺はのどから出そうになった声を押し殺したが、美香の答えは…
「できるよ。だってさ美香の運動会とかお遊戯会の時って絶対雷なってたもん。それはお父さんが見に来てくれてたんでしょ?」
まじか?!信じれるんだ?!確かになってたけど俺の時も…
「なら、この提案をしても平気だね。二人で行くのはどうだい?お母さんは寂しいけど、二人ならいつかまた戻ってきてくれると信じてるからね。お母さんは待てるから美香を連れて行ってあげてくれ。」
俺と美香は顔を合わせ一緒に一回うなずく。
「それじゃあ決まりだね。行っといで。」
美香は泣きながら母さんに抱き着き、俺は「いってきます」とだけいい家を出た。
この後行くところは決まっている。野村のところだ。俺は母さんと離れることを寂しいと思いながら美香に手を差し出す。
「行こうか」
美香はさみしそうな顔をしていたが首を一度横に振った後笑顔で
「うん!お兄ちゃん!」
と俺の手を握る。こうして俺たちの旅が始まったんだ…
遅くなりました!すいません。妹登場ですね。タクト頑張れ!!




