帰ってきたんだな…ベス、俺頑張るよ。
俺は長い間ベスを見ていた。現実世界に戻るってことはベスと別れるってことだ…それは嫌だ。かといってベスがこのままなのはもっと嫌だ。どうしたらいいんだ…俺は考えに考えた結果ある答えにたどり着いた。その考えを伝えるため俺は王様の部屋へと向かった。
「王様、タクトでございます。ただ今お時間よろしいでしょうか。」
俺は王様の部屋の扉をたたきながら言う。
「おお、おぬしか。入ってよいぞ。」
「失礼します。」
俺はそう言って中に入る。
「気持ちに整理はついたのか?」
中に入るなり王様に聞かれる。ぶっちゃけるとついてない。まず、俺が思っていることが可能かもわからないのだ…
「整理はまだつきません…しかし、一つだけ考えがあります。」
俺は言った。
「その考えとはなんじゃ?」
王様は少し食い気味で聞いてくる。俺はベスを元に戻すこととベスと別れたくないがために出した考えを王様に説明する。
「私はベス様と別れることは耐えることができません。しかし、ベス様がこのまま寝続けることはより絶えることができません。」
ここまで言ったところで王様が
「では、おぬしは帰るってことか?」
と聞いてくる。
「はい、確かに一度自分のいた世界に戻ります。そして、私は戻ってきます。私はベス様のボディーガードですから。」
俺の考えはこれだ。できるのかはわからない…でも、これ以外の方法を思い浮かばなかった。ベスを元に戻しそれでいてベスと一緒にいる唯一の方法だろう。様々な困難があることは当然わかっている。だがやるしかない。俺はベスのボディガードである前にベスが好きなのだから。
「おぬし…よく言ってくれた…じゃが、そんなことをした前例は今までないぞ。できるのか?」
王様は言う。やはりそうか…
「できるかどうかではなく、やってみせます。」
俺は無意識に答えていた。そうだ。できるかどうかじゃない。やるんだ。
「ありがとう。ほんとにありがとう。ベスがあそこまで心を開いたのはおぬしが初めてなんじゃ。そのおぬしがいなくなってしまうとなるとベスが悲しむのじゃ。だから、どうか無事戻ってきておくれ。」
王様がここまで信頼してくださっていると思っていなかった俺は驚いた。王様のためにもやらなければならない。俺は王様とともにベスの部屋に移動する。
「王様、お願いがあります。ベスが起きたらこれを渡してください。」
俺は王様に話しに行く前に書いていた手紙を王様に渡す。
「わかったぞい。しばしの別れじゃな。」
王様は言う。
「ですね…すぐに戻ります。では。」
そういって俺はベスの手に触れる。すると俺の体は光に包まれた。しかし、その光はすぐに消えてしまった。
「なんでだ?」
俺は無意識に言っていた。すると王様が
「おそらくベスがおぬしを帰したくないのじゃろう…」
なるほど…ならば。俺はベスの耳に顔を近づけ、
「必ず戻ってくる」
と言って口にキスをする。すると俺の体は再び光に包まれ何も見えなくなった。次に目に入ってきたのは久しぶりの我が家だった。
「帰ってきたんだな…ベス、俺頑張るよ。」
俺は無意識につぶやいていた。
タクト君かっこいいですね。頑張ってほしいです!




