雷よ、俺の怒りに呼応しているならこの身を滅ぼしてもいいから俺に力をくれ!
準備をして指定の場所についたころには午の刻直前でそこには野村翔樹を囲むように見物人がたくさんいた。俺が野村の前に立つと見物人は蜘蛛の子を散らすように俺らを真ん中に広がった。
「タクト君来てくれてうれしいよー。ガールフレンドも一緒とはねぇ…到底許されないね。」
まず野村が言う。
「一つ訂正しとくよ。ベスはガールフレンドじゃなくて俺の守るべき人だよ。俺はベスのボディーガードだからね。」
と野村に返す。
「じゃあ始めますか!」
いきなり?!これじゃベスが?!とっさに俺はベスを抱えて少し離れる。そこにベスを置いて元の位置に戻って決闘を開始…と思ったが体が動かない…
「どういうことだ…?」
とっさに口に出してしまった。すると、野村はにやにやしながら、
「耳を澄ましてみろ。もっと苦しくなるぞ。」
何を言っているんだ?耳?
……ナゼダ…ナゼオマエダケ異世界ニ逃ゲタ……
……ソウダ…俺タチハ…死ヌホドノ思イヲシテ遂ニハ生キルコトモデキナクナッタトイウノニ……
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
俺は無意識に叫んでいた。
「ふはははははは!そいつはいじめに耐え切れず自殺した奴らの怨念さ。そいつらにはお前を呪い殺すほどの恨みを持ってるからなぁ。味わえ恨みのパワーを。」
見物人は言葉をなくしこの状況を黙ってみていた。ただ一人を除いては…
「あなたは何が楽しいの?もともとタクトをいじめてたのはあなただし、その状態で異世界まで追ってきて今度はいじめられていた人の怨念を浴びせるの?」
ベスだ。ベスが叫びながら前に出ている。
「ベス、それ以上前に行くな。」
俺は声を振り絞る…が、ベスはなおも前に行く。
「そんなことをする権利があなたにあるn…きゃぁ!」
いきなりベスの声が途切れ、代わりに悲鳴が聞こえた。
「ごちゃごちゃとうるせえな。しばらくそこで黙ってみてろ。」
なんだ。何かが起きている。そう思い力を振り絞って顔を上げた。俺は信じられない光景を見て怒り狂った。
ベスが腕と腕を広げてつるされ、口にさるぐつわをはめられていたのだ。
「この野郎…よくも…よくも…俺のベスに!!」
この時雷鳴が鳴り出して、どんどん強くなった。まるで俺の怒りに呼応するように。
「雷よ、俺の怒りに呼応しているならこの身を滅ぼしてもいいから俺に力をくれ!」
俺は叫んだ。その直後俺に雷が落ちた…
野村意地悪いですね…
タクトどうなっちゃうんでしょう…




