表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジーでも養鶏がしたい  作者: プリマスロック
2/2

孵化業務2

 高さ150㎝、横奥行き共に100㎝、この大きさの孵卵器で、約1100個の卵を孵化できる。

それがこの部屋には合計6台、一度の孵卵で6600個出来る計算だ。

 これだけの設備は、この世界においてはここを含めて3箇所しかない。

これが多いか少ないかと言われたら、自分にはよくわからないが、上司曰くもの凄く少ないらしい。

なんでも、前世で勤めていた孵化場では、一日に10万羽以上孵化するのが当たり前だったとか。

それと比べると確かにこの規模の孵化場はかなり小さいのだろう。


 ぐるりと周りを見渡すと、自分以外の5人がせっせと産まれたヒヨコを箱に詰めている。

孵卵器1台に付き一人が担当だ。

 負けじと右手に2羽、左手に3羽、一度に5羽のヒヨコをテンポよく箱に移していく。

これは上司から教えて貰った方法で、数が数えやすく、前世でも行っていたやり方らしい。

 数え終わると、羽の乾いていな雛や、まだ産まれていない卵を一つにまとめて、1台の孵卵器に戻しておく。

残念ながら孵化途中で死んでしまった卵は、すべて取り出して廃棄処分だ。

 箱に入れた雛達は、このまま育雛場の従業員にバトンタッチして、後は1台を残してカラになった孵卵器を清掃消毒して、本日の業務終了である。


 「あー今日も無事に終わって良かったぁ。」

そう叫んだのは、新人だ。

白い防護服の胸の部分にデカデカと《閃光の平社員》と書かれている彼は、つい2ヶ月間前にここに配属になったばかりである。

ちなみに額には《安全第一》と書かれている、これは全員共通だ。

 彼が叫ぶのも無理はない。

鶏を飼育する中で、〔育雛〕→〔種鶏飼育〕→〔孵化〕の順番で危険が大きいからだ。

何故ならば

「コカトリスとか本当に死ぬから、まじ勘弁。」

雄鶏の卵からはコカトリスが産まれるからである。






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ