1 家を出る
後日談になります。
翌日、午前は二人でゆっくりとして、午後に私の家まで一緒に行った。
帰るとメールをしておいたからか、家に戻ると家族が揃っていた。それだけでなく幼馴染みの彼とその家族まで揃っていたの。
私が何か言う前に母がいきなり責めるように言ってきた。最初は神妙に聞いていたけど、途中で聞き捨てならないことを言ってきた。
もう、式場を予約してあるというのだ。「話が違う」というと「30歳よりまだ20代の29歳で結婚した方がいいでしょう」と言ってきた。
その言葉に母以外の人が驚いた顔をしていた。どうやら母が私に男の影がないことから、勝手に話を進めていたようだ。
幼馴染みの彼はそれに落胆していた。てっきり私が彼とのことを前向きに考えてくれたと思ったようだ。
結局母がヒステリーをおこし「そんなに言うのなら家を出て行け」と言われてしまった。私は母の性格からそう言われるのではないかと思っていたので、この1週間荷造りを済ませていた。
「わかりました。いままでお世話になりました」と頭を下げて自分の部屋に行き、トランクを手に持った。
他の家族は慌てて止めようとしたけど、もとから家に居られるとは思っていなかった私は、これ幸いと家を後にした。
彼は父に何か言われていたようだけど、何も言わずに私を連れ去ってくれたのでした。
その足で私達は不動産屋に行って、マンスリーマンションの契約をしたの。




