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14 彼の部屋で物思う・・・

 辿り着いた彼の部屋はホテルの一室だった。彼がこちらにいるのは一時的なものだそうで、長くて9月末まで。だから部屋を借りることはしなかったと言っていた。


 応接セットというにはありふれたソファーとローテーブル。

 そのソファーに腰を下ろした私は、ぼんやりと窓の外を見ていた。


 祭り会場でのはしゃいだ気持ちは、今はもうどこかに消え失せていた。


 ぼんやりとした頭で考えたのは、幼馴染みの彼の事。


 穏やかで春の陽だまりのような人。彼と結婚したらそれなりに幸せになれるのだろう。なんの波風の立たない平凡な日常。


 でも私には無理だ。あのキスをされた日に気がついてしまったもの。私は彼のことを愛することはないと。


 私が恋をして共にいたいと思ったのは彼じゃない。


 車に乗り込む私を絶望の瞳で見つめていた彼。

 彼は気がついていたのだろう。

 私の心が彼のもとにないことに。

 だからあの時、キスをして自分のほうに目を向けさせようとしたのだろうか。


 その行動が逆に私に自分の気持ちを気付かせたとは知らずに・・・。


 あのあと彼はどうしたのだろう?

 祭り会場に私を探しに来たのだろうか?


 それとも私の行為をうちの親に告げて結婚を無しの方向に話し合っているとか。


 つい、自分に都合がいいことを考えてしまう。


 幼馴染みの彼の瞳に私への愛情なんて見つけなければよかった・・・。


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