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風と星の水遊び  作者: 愚者x2
9/10

寄生虫

僕は寄生虫。


時々、周囲から羨ましがられたりするが、決してそんなにいいもんじゃない。


確かに寄生している事で食べる事に困る事はない。

縄張り争いをする事もない。

家族の為に働く必要もない。


ただただ、宿主の中で生きていけばいい。


しかし行きたい所へ行ける訳でもない。

欲しいものを手に入れる事も出来ない。

食べる物だって、目の前のものを食べるしかない。


僕からしたら、こんな事を羨ましがる奴の気がしれない。


鳥の様に大空を飛んでみたい。

魚の様に水中を泳いでみたい。

獣の様に大地を駆けてみたい。


しかし僕には、そのどれもが出来ない。

全てを宿主に任せる外はない。


誤解無き様、言っておきたい。

僕は決して、好き好んで寄生虫になった訳ではない。

望むならば、他の命になってみたい。


鳥でもいい。

魚でもいい。

獣でもいい。


とにかく、もっと自由になりたい。


遥か彼方にある山を登ってみたい。

周囲にある様々なものに触れてみたい。

目の前に用意されているもの以外も食べてみたい。


だけど僕は、そのどれもが出来ない。

ただただ、宿主に任せるしかない。


宿主の中で生きていくしかない。

僕には他の選択肢はない。

与えられた時間を消費するしかない。


本当に虚しい。

本当に切ない

本当に面白くない。


だけど、仕方がない。


だって、それが寄生虫。

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