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風と星の水遊び  作者: 愚者x2
3/10

借り物

夜も更けて、

静かになって、

世界が雨音に支配される時、

辺りは優しさに包まれる。


俺はその優しさを少しだけ借りて、

彼女に優しくキスをする。

彼女は俺を求めてくる。

俺は彼女に応える。


彼女は珍しく照れていた。

俺がいつもとは違って、優しかったからだろう。

俺はそれがとても可笑しかった。

だって彼女は知らなかった。


俺が雨音の優しさを借りていたなんて事。


五月雨の降る夜、

俺と彼女は天国へと行った。

偽りの天国だったんだけどね。


朝になって、

日が射してきて、

世界が夜明けを喜ぶ時、

優しさが俺の中に入り込む。


俺はその優しさを少しだけ借りて、

彼女に優しく語りかける。

彼女は俺を求めてくる。

俺は彼女に応える。


彼女はいつもより烈しかった。

俺がいつもとは違って、優しかったからだろう。

俺はそれがとても愛おしかった。

だって彼女は知らなかった。


俺が朝日の優しさを借りていたなんて事。


五月雨が止んだ朝、

俺と彼女は天国へと行った。

偽りの天国だったんだけどね。

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