一人-一人=二人?
リクネという名前をもらった少女は、もう一人ではなかった。
リドウという名前の少年は、一人になりたがっていた。
「リクネ、明日には俺この町を出るけど、お前はどうする?」
「え?帰っちゃうの?」
「帰らないよ。」
「じゃ、、、。」
「違う町にいくんだ。」
ここじゃない、一人になれる町に。
「私も行きたい。」
ふと落ちていた視線が声の方へと向く。
「私、リドウと離れたくない。だから、私も連れていって。」
「ふはっ。」
リドウは笑った。それは、自然と出る喜びからくる笑顔だった。
「よし、そうこなくちゃ。お前も俺の『一人』だ。」
「じゃ、一緒に行っていいの?」
「ああ。」
リドウのその言葉を聞いて、リクネも笑顔が顔から漏れていた。
ホテルに戻る途中、リクネが俺と一緒に行くための荷物を買いにいき、リクネを一人で戻らせた。
「さてと、なにが必要かな。」
リクネは女の子だし、やっぱり自分で選んだ方が良かったのかも知れないと、今更後悔をしたいた。
だがリドウは知らなかった。
そんな後悔なんていうのが吹き飛ぶような後悔がくるとは、このときのリドウは、想像もしていなかった。
いよいよクライマックスという感じですかね。
読んでくださった方は有難うございます。




