喫茶店
ある小説の影響で一人喫茶するようになった
おしゃれカフェじゃない
チェーン店じゃない
ランチなし、ケーキもなし
あるのはコーヒーか紅茶
おいしい、深い味わいにほろっとする
でも
目的はそこじゃない
大きなスピーカーから流れる音楽を聴きたいから
レコード、傘に雨粒が当たったようなノイズ
すぐに始まらない、間に
ちょっとドキドキする
音楽はいつもかっこよくきめてくる
リズムは軽く、音はずっしりと響いて
何しろ自由でさりげない
異次元はネットの中だけじゃない
音楽は一瞬で世界を変えられる
さりげなく、あっさりと
心に積もったいろいろはすっかり落ちて
世の中、捨てたもんじゃないと
店を出る頃には思ってる
いつの間にか喫茶店の常連になった人
けっこういるんだよ