第一話「女神との出会い」
ここは、桜色のかすみが漂う白い空間。
この空間は、天使たちが暮らす世界――天界に存在し、天使たちには、転生部屋と呼ばれている。
その空間の中心に、金色の魔法陣が出現して、まばゆく輝いた。
魔法陣の発光がおさまると、その中心に、中年男性が浮いていた。
「ここは?」
少し透けている男性が呟いた直後、彼の前方がまばゆく金色に輝いた。
発光がおさまると、30歳前後のメガネ美女がスーツ姿で、立っていた。
「はじめまして。
ウィンディエルと申します。
インタレスト銀河の第3有人惑星ウィンディックを
管理しています。
簡潔に説明すると、女神的な存在です」
桜色の長い髪の美女――ウィンディエルは、ほおを少し赤く染めながら、自己紹介した。
「わたしは……」
「わかっています。マサルさんですよね?」
「は、はい。そうです。」
(なんで、わかったんだろ?
女神さまだからかな?)
自己紹介する直前で、ウィンディエルが自分の名前を言い当てたことに、男性――マサルが驚く。
「お知らせと説明をさせていただきますね。
マサルさん。
あなたは、お亡くなりになられました」
(幽霊になって、家族の近くを漂っていたのは、
夢じゃなかったのか。
ちょっとまて! 家族は!?)
女神の能力により、マサルは、すんなり受け入れられたが、その瞬間、自分の家族が心配になった。
「安心してください。
マサルさんのご家族は、
地球の女神が責任をもって、
なんとかしてくれますから」
ウィンディエルが言葉をかけると、マサルは、心を読まれたことを気にも止めずに、安堵した。
「続きをお話しますね」
「おねがいします」
「はい。わたしたち惑星管理者の間では、
マサルさんのように、
寿命を全うできなかった方や
病気などで、つらい人生を送られた方には、
精神を引き継ぎ、病気知らずの健康な肉体で、
趣味趣向に合致する温暖な世界に、
転生……生まれ変わっていただくという
絶対的ルールがあります。
マサルさんは、ロールプレイングゲームが
お好きですので、
それに似た世界である惑星ウィンディックに
転生していただきます」
ロールプレイングゲームか。
有名どころは、やったな。
「続いて、惑星ウィンディックの人類について、
お話しますね」
「おねがいします」
「はい。
ウィンディック人は、いろんな種族がいて、
戦闘用ロボットを量産できるレベルの科学技術と
魔法技術を有しています」
ウィンディックは、黄色い鳥に乗れる有名RPGみたいな世界ってことか。
「ウィンディックには、
人類が嫌う生物や有毒生物の代わりに、
男性に憎悪、女性に情欲を強く抱く
魔族という人型モンスターが存在しています。
ウィンディック人は、
自分たちの技術の産物を用いて、
彼らと戦っています」
(そんな危険なモンスターが存在するのか。
がんばって、強くならなきゃ……って、
生まれ変わるんだから、
ある程度、成長するまで、
努力できないんだった)
強くなるために努力することを決心した瞬間、マサルは、異世界生活が乳児からスタートすることに気づいた。
「10歳くらいの肉体で、
育ててくれそうな実力者の家の前に、
転生していただきますので、
すぐに努力できますし、
かなりの実力者になれますよ」
(実力者の養子になれるなら、
安全な上に、効率的に強くなれるな)
転生システムのオプションは、育ててくれそうな者のもとに転生する部分は同じだが、肉体は成長させずに、守護する存在を仕えさせるというものもある。
「そろそろ、時間ですね」
ウィンディエルが呟くと、マサルの体が金色に輝き始めた。
「目覚めたら、『ステータス・オープン』と
念じてください。
自分の情報が確認できますから」
(『ステータス・オープン』って念じると、
自分の情報がわかる。
うん、覚えた)
「それでは、第2の人生、お楽しみください」
ウィンディエルの言葉をきっかけに、マサルの体がまばゆく輝き、消失した。
「次の方の準備をしないと。
〖インビジブル〗」
マサルを転生させると、ウィンディエルは、認識阻害の魔法を発動させて、他者に自身を認識できないようにした。




