自分の価値
かつての自分は
存在価値が
見い出せなかった
自分が大して
生きているうちで
価値がある人間とは
とうてい思えなかった
それどころか
おれみたいなバカは
死んだ方がいいのではないかと
そこまで追い詰められた
こともあった
それが今では
おれを取り巻く環境が
随分と変わった
おれがもしも
今すぐに
あの世に逝くことがあれば
あとに残された
人たつが
その身を切られるような
深い哀しみと
辛さと
寂しさで
胸がいっぱいに
なってしまうだろう
おれが今すぐにでも
あの世に逝ってしまったら
中には精神状態を
おかしくして
しまう人も
現れるかもしれない
かつてはおれ一人きりだった
おれを取り巻く環境も
だいぶ違ってきた
かつては自分が
そんなに影響力があって
存在価値がある
人間とは
思えなかった
おれが黙って
ある日突然のように
消えてしまったら
みんな心配するだろうし
心労がたたって
早死にする人も
現れるかもしれない
だからおれは
今すぐには
あの世に旅立つ訳には
いかなくなった
おれは死んだりしない
ずっと生きてやる
それもおれに期待してくれて
大事にしてくれる
人たちの為でもあるんだ
おれの命は
みんなのモノだ
おれ一人の
モノではない