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その後のテセラ

ムクリと神鳴達の転移が終わった後にアキトが体を起こす。

「行ったか…死人役も大変だな…」

残っていた神楽にそれを見られる。神楽は目を白くしてアキトが立ち上がった事に驚愕する。

「っげ!神楽…残ってたのか」

「あ、アキト…!?生きてたの!?」

喜びと騙された怒りの複雑な感情でぐちゃぐちゃになりながらも抱き付いてくる。

「まだ痛むんだ、あまり触らんでくれ」

ハッとして神楽がアキトを放す。

「でもどうして…」

「どっかのお節介が残した薬だよ」

空の瓶を投げ捨てながらやれやれとジェスチャーする。

「貴方に死なれたから私シュメイラになんて謝ればいいか…」

「別に謝らなくていいだろ、氷雨も渡しちまったしこれからどうするかなぁ」

アキトがわざとらしく神楽に語る。

「また新しいのを用意するわ、新しいと言えば神鳴の転移…」

「そうか、あいつも覚悟決めたか、死んだ甲斐があったなぁ、ははは…いてて」

腹を押さえながら二人は戦争の終わりを伝えに魔法都市に戻る。

「まだ終わらない予感がするんだが…翔達は大丈夫なのか?」

「あら?何か気になることでも?」

アキトは気になることと言われ答える。

「いくつも残ってるさ、まずお前ら神様…敵は神螺だけじゃないだろ…」

「ご明察、過激なのが神螺だけでまだいるわよ?」

「ほら終わってねぇ!それと何で翔という存在に固執してたのか…何故今回だけ他の人がいたのか…」

神楽がゆっくり歩きながら答える。

「貴方が…翔が父に似ていたから、生まれ変わりだと思ったから…ってのは?」

「なんだよその言い方、やっぱり何か知ってるな?」

神楽ははぐらかしながらもうひとつ答える。

「仲間を呼んだのは私よ、私がタイミングを見て神鳴に呼び出しをさせたの」

アキトが頭を抱える。

「半分以上お前の掌の上で踊らされた訳か」

「人聞きの悪い言い方ね、結果的にここまで来れたのだから成功でしょ」

向こうで死んでたらどうするんだと言いかけたアキトの前にケヴィン達が現れる。

「大変だ!姫様が!」

「あー、居たのかあそこに」

アキトが苦笑いしながら神楽を見る。

「居たわ、ごめんなさい神鳴の世界に行っちゃったわ」

「軽いなぁおい」

謝る神楽に掴みかかろうとするケヴィンを傷の痛みに耐えながらアキトが止める。

「巻き込まれないように回避もできた、移動したのは彼女の選択だ…尊重してやれ」

小さな声で多分と聞こえないように付け加える。

「姫様…勝手が過ぎますよ…」

ケヴィンが別れも言えず消えたミナに文句を言っていた。

(あれ、しまったな黒の国も今頃大混乱してるんじゃないか…?)

アキトが冷や汗流しながら思案しているとシュメイラが半泣きになりながらやってくる。

「戻ってくるって言ってたのに消えたままで心配した…ボロボロじゃないか!大丈夫なのかい!?」

「どっかのお節介の薬無かったら死んでたな、ですってよ」

神楽が気まずそうにするアキトの代弁をする。

「ひひ、アキトくん私のおかげだよー」

ニヤニヤが止まらないシュメイラにまた変な借りを作ったアキトはだからバレるの嫌だったと言いたげにしかめっ面をする。

「無事で良かったよ、アキトくんが死んでたら単身魔族と神螺に復讐しに行くところだったよ」

「それはそれで見たかったな…」

痛みにむち打ちながら全員元の生活に戻っていった。

(まだ終わってないか…可哀想だが頑張れ、ちっさな俺…)


魔族の侵攻を抑えきったテセラは一時の平穏を謳歌する事になる、しかし国家のバランスは崩れいずれ世界内での戦乱が巻き起こる事になる。しかしそれはまた別の話である。

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