残された光
あなたは大切な人ってどんな人ですか?家族、友人、恋人。色々いると思います。けれどそんな人とそばにいられなくなったら…この物語はそんな2人のある高校生の物語
すずか「ゆうた〜遅刻するよ」
ゆうた「ごめんごめん今行く」
俺ゆうたとすずかは中学の時から仲良くなった。今は同じ高校に通っている。通学も帰るのも一緒だ。俺はすずかとこうやってくだらない話をしているだけで幸せだった。それが当たり前になっていた。しかしそんな当たり前と思っていた幸せはある日崩れた
医師 「申し上げにくいのですが、もってあと2ヶ月かと」
俺 「え?嘘でしょ?嘘だろ先生嘘って言えよ」
受け止められなかった。あと2ヶ月で自分の命が終わるなんて考えたくもなかった。
医師 「もう治療は不可能です。残りの一日一日を大切に過ごして
ください」
俺はその場で沈黙した。そしていつの間にか家に帰っていた。どつやって帰ったか、どんな気持ちで帰ったかまるで覚えてなかった。気づいたら家にいたんだ。そして第一に悲しみと怒りの感情におそわれた。
俺 「くそー!なんでだよ…なんで死なないといけねーんだよ」
部屋の中で泣いてわめいた。こうやってわめいてもどうにもならないかもしれないけれど、その時はこうするしかなかった。そしてその夜ぼーっとしながら両親にも伝えた。
母 「嘘でしょ…」
父 「ゆうた…」
2人ともそれだけ言って俺はその場を去ったが、母親と父親の泣き声が聞こえた。そして俺はすずかに伝えるか迷った。俺はすずかが好きだ、だからこそ自分のことで悲しみやしないか。悲しませていいのかとそんな葛藤を心の中でしていた。そして俺は隠しながら、残りの人生を大切に過ごそうと決めた。
俺 「すずか、おはよう」
すずか 「ゆうた、おはよ」
いつも通りのあいさつ、いつも通りのくだらない話。これがあともう少ししか俺にはない。こうしてる間にも俺の命の火は消えかけている。そんな感じがしてならなかった。そして俺はすずかともっと思い出を作ろうとした。後悔がないように。
俺 「すずか、今度遊ばないか?遊園地行かない?」
すずか 「どうしたの急に笑笑いいよ」
笑顔で答えてくれた。日程は3日後の土曜日になった。
昼休みでこんな話をした
俺 「遊園地楽しみだな」
すずか 「ゆうたから誘うなんて珍しいねもしかしてデートでもしたいのかな?笑笑」
俺「ち、ちげぇよ。なんとなく行きたいなって」
すずか 「ふーん。」
すずかは笑いながらそう答えた。
すずか 「ねぇ、この小説読んだ?」
その小説は主人公の好きな人が病気になって、その好きな人との日々を描いた人気小説だった。まさかこんな小説の中の出来事が自分に回ってくるなんて思ってもなかった。
俺「ああ、見たよ」
すずか「泣けるよね〜これ。とくに最後の別れがさ」
俺「うん…」
この話はしたくなかった。そして俺は少し落ち込んだ様子で答えた。
すずか「ゆうたなんかあったの?」
俺「いやなんでもない…」
すずか「好きな人が出来たとか?誰?」
俺「違う」
すずか「えー、なんだろ」
俺「なんでもないよ」
すずか「なにか落ち込んでる?話してごらん。誰にも言わないから」
俺「本当になにもないって!」
俺は机をたたいて少し強く言ってしまった。その場に居ずらくて、その日は体調が悪いと言って早退した。俺は河川敷で1人でぼーっとしていた。そして独り言をつぶやいた。
俺「言えねえよ。言えるわけないだろ。すずかとは俺別れたくないのに、なんでこんなことになるんだよ。もっと、話したかった。遊びたかった。なのになんでだよ。」
当たり前だった日々がもう少しとなると、その大切さが身に染みる。俺はその場でずっと泣いてしまっていた。そして気がついたら、日が暮れていた。俺は家に向かった。
俺「この家に帰ってくるのもあと少しかなにもかもがあと少しなんだな」
こんな風につぶやいた。玄関を開けようとしたその時
すずか「ゆうた!」
すずかの声がした。
すずか「ごめん。ゆうた河川敷で言ってたこと、聞いてたんだけど、詳しく聞きたい。」
俺はこの時もうすずかに打ち明けようと心に決めて、すずかに話した。
すずか「嘘…」
すずかも悲しんでいた様子だった。
俺「だからもうすぐ俺死んじゃうんだ不平等だよな。こんな世界って。生きたいのにいつかは命がなくなっちゃうなんてな。」
俺は強がって、笑いながらいった。するとすずかに抱きつかれて
すずか「強がらなくていいんだよ?」
俺「すずか…」
俺はすずかのそばで大泣きした。
俺「死にたくない。死にたくねえよ。もっと、もっと生きてすずかとか家族と話して学校に行ったりして、一緒にすずかと弁当食べてくだらない話をする毎日を送りてえよ。なんでだよ」
叫ぶようにずっとすずかに向けていった。すずかはなにも言わずに聞いてくれた。そして俺が落ち着いた頃にふと話しかけてくれた。
すずか「ゆうた?正直まだゆうたが死ぬなんて信じられない。死んで欲しくないし、聞いた時はすごく悲しかった。けれどこれが現実ならうちもゆうたが望むなら、残りの時間うちでよければ楽しくするように頑張る」
この言葉がどれだけ俺にとって暖かいものだったか、そして俺が強くなれたか。死ぬのは怖い。けれど人の限られた命の中でどれだけその人生で幸せな時間をすごして、どれだけの人の心の中に自分という存在が光り続けていてくれるか。俺はそんなことを考えていた。
俺「すずか?俺が死んでもずっと俺の事おぼえていてくれ」
すずか「^当たり前でしょ。絶対忘れない。うちが忘れる時は地球が終わる時だもん。それまで絶対忘れない」
俺「地球が終わっても覚えててくれよ笑笑」
すずか「それは考えておくね笑笑」
そして土曜日一緒に遊園地に行った。一緒にソフトクリームを食べたり、絶叫マシーンに乗ったり本当に楽しかった。
俺「すずか、今日は本当に楽しかった。ありがとう」
すずか「うちも楽しかった。ありがとうね」
俺たちはそうして今日は別れた。そして次の日の朝日曜日だったが朝から家のチャイムがなった。
俺「はーい」
出るとすずかがいた
すずか「ゆうた!遊びにいこ!」
俺「え、え!?急に?どこ行くの?」
すずか「決めてない笑笑はやく行くよーほらほら着替えて」
俺は急いで準備をした。すずかと2日連続デートなんて幸せだった。
俺「どこ行く?」
すずか「じゃあゆうたの行きたいところ」
俺「それは迷うなー笑笑じゃあ映画見に行こう!」
俺たちは映画を見て、そして次は喫茶店に入った。
俺「映画面白かったな〜」
すずか「そうだね。」
映画の話をしばらくしてそっと、すずかがつぶやいた。
すずか「あと少しで、こういうこともできなくなっちゃうんだね」
落ち込みながら言っていたが、俺は声をかける事ができなかった。
すずか「ごめんね。うちがこんな落ち込んじゃ、いけないよね」
そういって笑って店を出て遊び続けた。買い物をして、ボーリングをして、そしてすずかの家に泊まることになった。
俺はすずかの家で泊まるのは始めてで、とても緊張した。
俺「お、お邪魔します」
すずか「どうぞ!」
とてもきれいな部屋だった。そしてその日はなんとすずかが手料理を作ってくれた。ハンバーグを作ってくれた。
俺「めっちゃ美味しいよ!」
すずか「そう?嬉しい」
そして晩御飯を食べたあと一緒にテレビを見て、笑って話して、お風呂に入って本当に時間が過ぎるのがあっという間だった。
すずか「ねーねー、一緒に寝ようよ」
俺「や、やだよ。」
すずか「えー、けち!」
俺「し、仕方ないからい、一緒に寝よう」
すずか「よろしい!じゃ、おやすみなさーい」
といってすずかはねた。俺もすぐ寝てしまった。
そして来週の休日も遊ぶことになった。ある時は福岡にまで旅行にいったり、北海道まで旅行に行ったりと、本当に楽しい日々だった。このまま生きていたいなと毎日望んでいた。そしてこの日も待ち合わせをしていた。そして俺はこの日、気持ちを伝えようと心に決めていた。
俺「おそいなぁ」
すると電話が鳴って、電話にでるとすずかの母親だった。
すずかの母「あ、ゆうたくん?実はすずかが交通事故で」
その後なにを言われたか覚えていないが、すずかがいる病院を教えてもらってすぐに向かった。するとすずかはすでに息を引き取っていたそうだった。すずかの両親は泣き崩れていた。
もちろん俺も。
俺「なんで、なんで俺より先に死ぬんだよ。生きていてくれよ。残りの人生1ヶ月俺は誰と過ごせばいい。今日遊びになんて誘わなければよかった」
言葉に言い表せない感情が永遠に頭を駆け巡っていた。
すずかのお通夜の日。もちろん俺もクラスメイトと一緒に出席した。俺はこのお通夜が終わったあと自殺をするつもりだった。そしてお通夜が終わって家に帰って、自殺しようとしていたが、会場ですずかの両親に呼び止められて。手紙を渡された。
すずかの両親「これ、すずかからです」
俺「どうも、ありがとうございます…」
ゆうたへ
あなたの寿命を聞いた時とても悲しかった〜。このバカ!死んでも絶対忘れるわけないじゃん!だってうちはゆうたのこと好きなんだもん好きな人は絶対に忘れないよ。ゆうたとの日々本当に楽しかったよ。ゆうた?最後までうちに楽しい時間を与えてくれてありがとうね。うちはゆうたがいなくて少しさびしいけど、ゆうたの分まで生きて、ゆうたが残してくれた思い出、あたたかさ、全部を心に残してこれからは過ごすよ。ゆうた?最後に生きてくれて、うちと出会ってくれて、この星にここで生まれてきてくれて、ありがとう。天国で幸せになってね笑笑
すずかより
手紙を読んだ後俺は涙が止まらなかった。そして自殺のことは考えなくなっていた。すずかが生きようとしていてくれた様に俺も残りの死ぬまでの時間ずっとすずかを忘れずにすずかが残してくれた思い出、あたたかさ、全部を心に残して過ごそうと決めた。
そして時がたって俺は自分で立てなくもなって、ベッドで寝ていた。段々体が重くなってきた。家族は話しかけてくれている。だけどこの日が自分で最後な気がした。そして俺は車椅子で家族に見守られながらすずかの墓参りにいって、手を合わせて、そして俺も手紙をすずかに送った。そして両親に感謝の気持ちを伝えた。その日の夜20時、俺の意識は途絶えた。最後まですずかの思い出はあたたかかった。
すずかへ
すずかが死んで3週間が経ったな。俺ももうすぐ死んじゃうな。すずかと過ごした日々俺も楽しかった。俺も実はすずかの事がずっと好きだった。あの日伝えようと思ってた。だけど、伝えれなかった。こんな形での伝え方になってごめん。残りの人生のカウントダウンが刻まれていく中で本当に最初は苦しかった。全部が憎く見えた。けれどすずかのおかげでこんなに晴れやかな気持ちで俺も死ねるなんて俺も幸せだ。俺こそ言わせてくれ。すずか、生きてくれて、俺と出会ってくれて、この星にここに生まれてきてくれてありがとう。感謝の気持ちなんかすずかにはいくら伝えても伝えきれないな笑笑俺は今もすずかのことは忘れてない。ずっと俺の心の中で光り続けてるよ。じゃあな!すずかいや、また天国で会おう!だな笑笑
ゆうたより
人はいつか死ぬ。それが長いか、短いか。たしかに大切な人と過ごしたいそれが過ごせなくなったら辛い。それは当たり前。けれど、目の前に過ごせなくなるという現実が現れた時、そこから逃げてなにもせずに死んでいくよりこうやって思い出を作って、その人の心に周りの人々に生きていた証を残して、そして人生を楽しんで生きて欲しい。長く生きれるに越したことはない。けれどそんな長く生きている人にも大切な人はいると思う。そんな人たちへ。目の前のその大切な人を当たり前と思わないで、そしてその人との日々を一つ一つ覚えて、心に刻み込んで。きっと暖かい思い出が心に残り続けるよ。どんなに長い人生でもひとつも幸せがなければ意味がない。だから幸せを見つけて、そして幸せになろうと全力で努力して。その一日一日を大切に生きて欲しい。生きているってことを当たり前にしないで。




