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自分の世界を作ろうーLet's making my world  作者: でぃく
1章 ゴブさんの拠点造り
7/15

1-4 行動開始

「さて、これからどうするか」


 とりあえず直近の危機は去った。といっても呼び出したサポートAIに殺されそうになっただけだが・・・。でもこれって結構問題だよな?戻ったらユウに苦情を入れてやる。

 後のことよりまずは目先のことだ。いつまでもここにいても仕方がないし、何か方向性を決めて動きださないとな・・・。そうしないと俺がこの空気に耐えられない。ルミールは俺に対して警戒はしてないみたいだが、明らかに納得しておらず、視線だけでちらちら見ており、こちらの動向を伺っている。。

 まずは、落ち着いて休める場所を探すのが先決か?ルミールがゴブリンという種族に対し下級魔族という分類で呼んだ。ということは、この世界には他にも魔族に分類される存在がいるってことだ。そいつらに襲われる前に安全地帯を確保しておきたい。そう考え、ワールドMAPを出してみるが今いる周辺以外の情報は黒く塗りつぶされ、他にどのような場所があるのかわからなくなっていた。初期設定時に見せてもらったあの地図が載っているかと思ったら、そうではないらしい。どうやら自分で歩き確認・探索し空白を埋めていかなければならない仕様のようだ。うん、めんどくさいが、街つくりの為にも周辺の状況は確認したほうがいいし、今は他にやることがないからやるしかない。


「ルミール、少しいいか?」

「あ、うん、何かな・・・えっと、ゴブさん」


 ルミールが戸惑いながら返事をする。もう少し打ち解けて話をしてくれると楽なんだが、これは慣れるしかないだろう。

 肩をすくめ小さくため息を吐きながら、ルミールにこれからのことを説明する。これからの行動のこともそうだが、まずは目的の共有からだな。サポートAIとしての役割として、どこまで知識を付けているかはわからないが、俺がどういうものを作っていきたいかを説明しないと、サポートのしようもないだろう。

 そこで俺は、とりあえず最終的な目標と直近の目標について話を始める。最終目標は俺の国を作ること。・・・といえば聞こえがいいが、実は俺の中にこういうものを作りたいというものは、まだ浮かんでいない。今日いきなりこのゲームの説明を受けて、ただ漠然と街を作り発展させ、自分の好きなようにすればいいのか・・・と何となく理解した状態でここにいるのだから仕方がない。本来なら街が完成した時点で辞めてもいいだろう。しかし、この世界がどれだけの広さを持っているかは分からないが、どうせなら目標は大きく持ち、国を作りと世界征服でもいいと思うのだ。


「国を作るなんて、正気とは思えないけど・・・。それがマスターの意思なの?」

「うん?ああ、そうだ、まずはそのためにやらないことがあるんだが・・・」

「えっと・・・じゃあ、まずは、基盤となる拠点の確保と人材確保だね」


 ルミールの発言に驚いた、まさか俺に対して協力的な意見を出すとは思えなかったからだ。もう少し現実を見ろという意見が出るかと思ったぞ。


「あれ?何かおかしなこと言ったかな?マスターの意思なら助力するのが、私の役目なんだけど・・・」


 意外とマスターには従順なのか?ゴブリンがマスターだと認められないだけで、マスターからの指示だといえばすんなりいくのかもしれないな。


「いや問題ない。まずは拠点の確保だ。ここから北に行くとすぐに山というか崖にあたるはずだ。それを西に向かえば川があったはずだから、まずはそこに向かおう」

「確かに水の確保は重要だよね。でも、それは確かな情報なの?私はここの土地勘はないから分からないけど・・・」

「あ~、マスターからの連絡があったからな・・・」

「そうなんだ、じゃあいこっか」


 まじで、マスターからって言えば反対しないのな・・・。まあ、扱い方が分かっただけよかったか?とりあえず、目的地も決まったし周囲を探索しながら歩いていくか。

 それにしても、ルミールはさっきこの周辺には詳しくないと言ったが、詳しい場所とかはあるのだろうか。特別なサポートAIだからと言って、NPCの設定を深く作りこんでいるわけではないだろうが、詳しく聞いても異常は出ないのかな?そんな「ちょっと意地悪してやろう」という軽い考えで聞いてみたのだが・・・。


「そんなことを聞いてどうするの?」

「あ~いや、別に言いたくないならいいんだが・・・。俺はこの周辺以外知らないから、何となくな」


 やっぱり設定していないからか、冷たく言い放たれてしまったな。まあ、そこはやはりNPCってことなんだろうな・・・。


「・・・私は元々エルフの集落に居たよ。こことは生えてる植物が違うから、かなり離れた場所に来たみたいだけど」

「えっ?」

「えっ?って貴方が聞いたんだよ。ほら足が止まってるよ」


 まさか、会話を続けられる・・・というか教えてくれるとは思っていなかったので、つい足を止めて振り返ってしまった。ルミールに背中を杖で押され先を歩かせられる。


「集落に居たといったけど、それは正確じゃないかな。穢れた血を持つ私は集落から外れたところに暮らしてたよ。そのあたりの地形や動植物・魔獣や魔族についての知識なら持っている」


 穢れた血・・・多分種族がハーフエルフってなってるから、そういったことなんだろうな。けど、ここはまだ深く聞く場面じゃないか。まずはこの世界の情報からだな。


「そうなのか、というか種族ごとに集落というか村みたいなものがあるんだな」

「そんなことも知らないんだ・・・。うん、そうだね、何も知らないとマスターに迷惑がかかるだろうし、少し教えてあげる」


 うん、マスターもその辺のことは無知だから教えてもらうと助かる。

次回、金曜日更新予定です

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