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自分の世界を作ろうーLet's making my world  作者: でぃく
プロローグ-現実からゲーム世界へ
1/15

P-1 テスターのお誘い

初投稿になります。完結目標でがんばります。

プロローグは現実でのお話です。

ゲーム世界は1章からになります。

 俺と【MOW】My own World と出会うきっかけになったのは、腐れ縁の親友からの久々の連絡からだった。


「なんだ、急に連絡なんて・・・。離婚の相談なら受け付けんぞ?」

『ミヤ、久しぶりの電話の第一声がそれか~。僕の家はいつでもラヴラヴだよ~』


 『ミヤ』こと俺、斉藤サイトウ 秋宮アキミヤは、電話口の相手とは違い悠々自適の独身生活をしているしがない会社員だ。

 ようやく溜まっていた仕事が終わり、久々に太陽より早く帰ってきたところに悪友からの連絡が来たのだから苦言の一言でも言いたくはなる。

 まあ、ノロケで返されたがな・・・早く爆発しないもんかね。


『ちょっと気が向いたから電話しようと思っただけさ~、意味はないぜ~?』

「その手には引っかからないぞ。お前が気が向いて俺に連絡するってことは、厄介事がらみだろ・・・」

『おいおい、それはないだろ~?僕がいつ厄介事を・・・』

「会社の愚痴を聞かされたり、好きな子の話を聞けだの、プロポーズが不安で練習に付き合えだの、俺の得にならないことばっか振ってくるじゃねぇか」


 そう、電話口の悪友は初めは何でもないかのように探りを入れ、暇だとわかったら面倒ごとに付き合えと要求するとんでもないやつなのだ。

 しかも俺が久しぶりに時間が取れて、ゆっくりしようとしたタイミングに限って連絡をよこすからさらにたちが悪い。

 ・・・なんで、俺の空き時間が分かる、エスパーかよ。


『うん、あの時のことは感謝してるって~、おかげで嫁とはばっちり・・・って、今回はミヤにも得がある話だから切らないでね~?』


 チッ、なんで電話を切ろうとしたタイミングが分かるんだよ。まさかこの前遊びに来た時に監視カメラを置いてったんじゃないだろうな?


『僕の会社のことでさ~、ちょっと相談があるんだよ~』

「お前の会社って、VRゲーム作ってるところだろ?俺なんかに話してもいいのかよ」

『ああ、問題ないよ~。ちなみにVRゲームって言っても、フルダイブ式の奴だからね~』


 フルダイブ式VRゲーム、現実世界の体をそのままに意識だけをゲームの中の仮想世界に飛ばして遊ぶ最新のゲームジャンルだったか?

 数年位前から発表され、徐々に裾野を広げてきており今では数多くのゲームタイトルが発表されていたはずだ。

 ゲームはもっぱら携帯端末のアプリで程々の課金で遊ぶ俺にとっては、興味はあるが時間の制約と初期投資の敷居の高さからまだ手を出してはいないジャンルでもある。

 この悪友の勤めている会社は確かにゲーム会社だったと思うが、フルダイブ式VRゲームなんか作ってるなんて聞いたことないが・・・。

 そういえばM&Aでどこかの会社と合併したとか言ってたか?


『実はテスターを募っててさ~、でも集まりが悪いのよ~。それで、ミヤはどうかなって』

「そんなもん、しがない社会の歯車に過ぎない俺に頼むなよ・・・。そういうのはもっと暇そうな大学生にでも頼めよ」

『それが出来てたら連絡なんかしないって~。ジャンルは好きそうだと思うよ~?ほら、街つくりとかゲームを作るゲーム、昔やってたじゃん』


 ゲームを作るゲーム?

 ああ、ゲームツクールってシリーズの奴か!

 元々ある素材の中から好きなものを組み合わせて、フィールドMAPから街やダンジョンの構造に、戦闘中のエフェクトとかを作れるゲーム。

 確かに中学・高校の時になぜかハマって、自分のストーリーを考えてRPGゲームを作った気がする。俺が時間をかけた傑作を、悪友によって2日と立たずクリアされた記憶がよみがえる。


『そうそう、それそれ~。それのフルダイブ版を作ったんだけど、どうかな~?』

「いや、すごい軽い感じで言ってるけどそれってすごいことじゃないか?いや、ちょっと待てフルダイブ版ってそんなこと可能なのか?」


 ゲームを作るのには当然それを処理するハードがありソフトがある。

 仮にフルダイブVRゲーム用の素材を詰め込んだソフトが登場したとしても、それを処理するための高性能なハードウェアがなければ遊ぶことができない。

 いくら最新のゲーム機器やPCが優れていたとしても、ゲーム会社がデータ処理を行うために設置しているほどの高性能なものではないだろう。

 それに、最近のVRゲームはかなり表現がリアルになってきており、NPCの顔はすべて同じなんてものは存在しないらしい。

 そう考えるとNPCのグラフィックパターンだけでも数十~数百、場合によってはさらに多くの種類が必要になり、それに合った表情や体の動作といったパターンをくみ上わせるとなると、とても家庭用の機器では対応しきれない・・・といか個人のゲーム作成では手に余る話だ。


『そこらへんはちょっとここでは言えないな~。興味あるなら詳しく話するけど明日からの三連休って時間貰えるかい?ならウチの会社で話すよ~』


 ああ、これは関わったらダメな奴だな。確かに明日から珍しく三連休が取れているんだが、ここで行くって言ったらコイツの思うつぼだ・・・。


 ここは断る!いつも思い通りなってたまるか!

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