最前線最後列窓際
「消えた」
日曜日は荒れてパサパサになった赤い髪を、さらにぐしゃぐしゃとかき混ぜた。
思えば致命的なバグだったのだ。たかだかキャラクター。それも、複数のシナリオライターによって様々な面を強制的に孕まされていたキャラクターが、開発過程で本当の人間のように「自我」を持つまでに至るなど、通常ではあり得ない。
例えそれが本来の人間の在り方と似通っていたとしてもだ。
本来は「シュウ」という高校生と、不思議な精霊である7人の曜日たちが繰り広げる、何の変哲もないお話に過ぎなかった。
だから月曜日から土曜日、そして私すらも「シュウ」の「向こう側」を喜ばせるための存在だった。
私たちには役割があった。月曜日ちゃんは世界観を、水曜日はラブコメを。……私はメタをといった具合だ。
途中までは与えられた使命を順調に守っていた。
だが「シュウ」は自我を持ってしまった。そして致命的な違和感を私たちに、いやこの世界自体に抱いてしまった。
だから、消された。
まぁ、そもそもその違和感を抱かせた要因は土曜日がバグでリタイアしたからなんだけど。
「またやり直し、か……」
ライターはまた同じような世界を無責任に創る。
シナリオ通り、私たちはまた踊る。
絶え間なく続く日々に、勝手に区切りをつけながら。
あとがき
お読み頂きありがとうございました。
「月曜日ちゃん」は元々は暇潰しに書いていた、ただの妄想話に過ぎませんでした。序盤の表現の稚拙さなどはその名残です。(後半部の表現もまだまだですが)
しかし書いていくうちにあれよあれよとシリアスに……実生活が忙しくなったこともあり、存在を忘れかけていました。
一応の完結部を、2年前の私が残してくれていたため、それを加筆して完結とさせて頂きます。
改めて、お読み頂き本当にありがとうございました!




