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ねぇ

 


「弟くん、今自分がどうして正座させられているか、分かるかな?」


 ……いえまったく分からないです。


 腕組みをしながらそれを聞いていた木曜日は、大きく頬を膨らませた。


「あくまでとぼけるんだね弟くん」


 お昼ご飯が出来たとリビングに呼び出された僕は、何故か、仁王立ちの木曜日の前に正座させられていた。


 すぐ横のテーブルには素麺がこんもり積まれている。早く食べたいけど、その前に一波乱ありそうである。

 木曜日は大きく深呼吸すると、カッと目を見開いた。


「……お姉ちゃん言ったよね。彼女なんて許さないって、言ったよね!!?」


 いやそれ作者の後書き……ってかアレ本編と関係あることあるの?!(✳︎11話参照)


「お姉ちゃん悲しい!!弟くんに反抗期が来ちゃうなんて!!」


 そう言うと木曜日はおいおいと顔を覆って泣き始める。


 全然話が見えてこないんだけど、そもそも僕に彼女はいないよ?


「弟くんの嘘つきぃぃぃ!!!水曜日ちゃんから聞いたもん!来週、クラスの女の子と花火大会に行くんでしょ!?もう実質付き合ってるようなものじゃんそれぇぇぇ!!!」


 あの木曜日が取り乱しすぎておかしなテンションになっている……!

 いつもは微笑をたたえて「あらあら〜」とか言ってる木曜日が、ブックオ○店員の寺○心みたいになってる……!


 というか水曜日チクったなアイツ!!!

『ごめんお兄様(テヘペロ)



「とにかくっ!!」


 バンッと木曜日が机を叩いた。素麺の盛られたざるがカタカタ揺れた。


「お姉ちゃんは男女交際なんて許しませんからねっ!高校生の間に不純異性交遊なんて覚えたらロクな大人にならないんだからっ!!二言目には『どこ住み?てかLIMEやってる笑?』って言い出すようになっちゃうんだからねっ!!」(✳︎偏見です)


 どこの出会い厨なんだよ!!

 というか僕は本当に月野さんとは付き合ってないし、花火大会にふたりきりで行くわけでもなし……まるで問題はないじゃないか。

 ……まぁ月野さん以外の2人が乗り気じゃなさそうなのが問題ではあるけど……。

 ……何で月野さんは僕を誘ったんだ……?


 正座しながらそんな尻すぼみな返事をしていると、いつの間にか木曜日が床に突っ伏していた。ついでになんかブツブツ言っている。


「あーもうやる気でませーん。お姉ちゃん抜きで青春モード入るのやめてくださーい。大体さぁ、最近のラブコメって姉を軽く扱いすぎじゃない?姉をスパイスに恋愛発展させるのいい加減やめてよ!!お姉ちゃんをメインヒロインにしてよぉ!!もうサブは嫌なの、ねぇ聞いてんでしょ作者こらぁ!!」


 泣きながらカーペットの上でジタバタと暴れる木曜日。

 誰に怒っているのか分からないが何となく触れてはいけない闇がある気がする。


 しばらくジタバタしていた木曜日だったが、突然スイッチが切れたように動かなくなった。


 あの……も、木曜日……さん……?


「もうお姉ちゃん知らないから。このモードに入ったらお姉ちゃんてこでも動かないからッ!!!」


 うつ伏せで気をつけの姿勢をしたままの、木曜日のくぐもった声がリビングに響いた。


 いや、だから付き合ってるとかじゃなくて……


「あー!あー!言い訳とかお姉ちゃん聞きたくありません!!」


 ……………


「……はっ!ブラコン以外に他の属性足したらお姉ちゃん人気出るかも………」


 ……とりあえず素麺食べよ……


「ねぇどう思う弟くん!!弟くん?ねぇ聞いてる弟くん!?」


 その後、木曜日は本当に床に寝転がったまま動かなかった(し、うるさかった)けど、「お姉ちゃん」って一言呼んだらイチコロでした。





「お姉ちゃんだけど愛さえあれば問題ないよね!!」


(そもそもお姉ちゃんじゃ)ないです。




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