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It’s Tuesday!!

 

 うーむ……


 僕は午前4時を示す目覚まし時計の液晶画面とにらめっこをしていた。


 外はまだ暗く、起きるには早い時間だ。


 しかしながら二度寝するにしても、微妙に踏ん切りのつかない時間帯でもある。


 どうしたものか……。


 月曜日ちゃんは見た目通りすぐに寝てしまうため、僕も必然的にやることがなく寝るのが早くなる。


 ただ僕の体には6時間睡眠が染みついているようで、火曜日の朝はいつも4時ごろに目が覚めてしまうのだ。


 寝るか……?いやいっそのこともう起きてしまおうか?いやしかし……。


 そうやって考えながら過ごすうちに、僕はおのずと一般的な朝の時間に突入していくのがいつものことだったのだが……今日は違った。

 彼女が僕の部屋に突撃してきたのだ。


「Hi!オハヨウデス坊ちゃん!!」


 金髪の大きな(本当に色々と大きな)女の子が、横になって唸っている僕の上にガバッと覆いかぶさってくる。


 ぬ、重い……けどやわらかい……。


 微妙な感想を抱きつつ、僕は彼女——火曜日を見た。


 火曜日は目をキラキラと輝かせながら僕のことを見つめ返す。

 そしてこう言った。

「坊ちゃん、町内一周行きマショーウ!!」


 いやだよ、火曜日はただでさえ疲れるのに……

 そう返すと、

「ガーン、デース……」

 目に見えて落胆する火曜日。

 そもそもどうして朝っぱらから、町内一周しようなんて言うんだ?


「ソレハ……最近ウンドウブソクだからデース」

 あぁ、そういえば確かに最近運動らしい運動をしていなかったな僕。まぁでも少しくらい……


「ワタシガ」

 いや、お前がかよ。


 尚更勝手に一人で行け、と思うデース。


「そんなの寂しいデース!坊ちゃんと一緒に町内一周したいデース!!行きまショーウ!!」

 そう言って火曜日は僕を布団から引きずり出そうと、僕の腕をぐいぐいと引っ張る。


 必死に僕はベッドのマットレスにしがみ付いて抵抗した。


 ダイエットに僕は付き合わないぞ!!

「ソンナコト言わないで行きマショーウ!!」

 しばらく無言の戦いが続く。

 結果は……火曜日の負け。


「うぅ……ワカリマシタ……一人で行ってくるのデース……」


 長い攻防の末、火曜日はその大きな背中に哀愁を漂わせて、部屋を出て行った。

 扉がそっと閉められる。


 あーまったく、今ので汗ビショビショだし、二度寝する感じでもなくなっちゃったな。


「………」


 仕方ないな……


 部屋の扉が再び、バタンと閉まった。


 その朝、町内にはカタコトの嬉しそうな話し声が響いていたという。




「Hoo!だいぶ痩せたので今日は寿司祭りデース!」


それは悲劇のサイクル……

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