ヘびーらイトムーン
いつの間にやら年末ですね。
いつの間にか朝が来ていた。
ゆっくり体を起こすと、いつもの自分の部屋だ。
……?いつもの部屋なのは当然じゃないか。
自分の思考に違和感を覚える。が、そんな違和感は月曜日ちゃんのかき鳴らすフライパンの音に押し流されてしまった。
「起きたか〜お主様〜」
したり顔でトテトテと近づいてくる月曜日ちゃんはやっぱり可愛い。
おはよう、月曜日ちゃん。
「うむ、今日も元気におはようなのじゃお主様!」
満面の笑みで朝の挨拶をする幼女もとい月曜日ちゃん。守りたい、この笑顔。
警察に「幼女を守り隊」とかあったら絶対入るのに……いやほんと下心抜きで。
そんなくだらないことを考えていると、いつの間にやら、鼻と鼻がくっつくくらいまで月曜日ちゃんの顔が近づいてきていることに気付いた。
どうしたんだい月曜日ちゃん?というかこの体勢じゃ起きられないんだけど……
「おかしいのじゃ」
え?
無表情のまま動かない月曜日ちゃんに一抹の不安を覚える。
というかまつ毛長いなぁ。
一体どうしたんだろうか?
そして僕は月曜日ちゃんの吐息を至近距離で浴びているわけだが、これは犯罪ではないんだろうか?
「お主様、口のまわりがベトベトなのじゃ。それにいつもはシトラス系のシャンプーを使ってるはずなのに今日は花の香りみたいな甘い匂いがするのじゃ。それにそれに……」
なんのことやら全く身に覚えがない。口のまわりホントにベトベトだし……僕のヨダレすげぇなオイ。
「お主様、こういうの何て言うか知っとるか??」
えっと……記憶喪失?
「浮気じゃバカァぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
そう言うと月曜日ちゃんはバタバタと部屋から出ていってしまった。
幼妻との離婚の危機……!?マズイですよコレは!!
と、とにかく状況を整理しよう。確かに僕の口周りはヨダレでベトベトだし、なんだかフローラルな香りが自分だけではなく部屋中から充満している気がする。月曜日ちゃんは怒った顔も可愛い。
だが、あいにくと僕にはこの状況に思い当たる節がトンとないのだ。
うーん……詰みかな???
と、そんな風にふざけている場合ではない。そもそも月曜日ちゃんはなぜこの状況を浮気と断定したんだ?
………日曜日ちゃんか………。
思い当たる節がめちゃめちゃあった。むしろ節しかなかった。
月曜日ちゃんは同じ曜日たちの中でも人気者の日曜日ちゃんを、敵視、とまではいかないまでもかなり意識している。
そんな相手から文字通りツバをつけられた僕がぐーすか寝ていたら、怒るのも無理はない。
とにかく謝りに行こう。そして何にも覚えてないことをせつめ……。
いや、何にも覚えてないのマズくね?!というか昨日のことに限らず、日曜日ちゃんとやってたことって記憶が曖昧なんだよなぁ……?
でも断じてやましいことはしていないはずだ!!(✳︎しています)
誠心誠意謝れば、月曜日ちゃんは許してくれる(と思う)!!!!
その後土下座しながら謝ったら、渋々許してくれました。
「今後は我とおんなじシャンプーを使うのじゃぞ!!」
……条件付きでしたが。
「全面戦争なのじゃ………!!」
週二日の戦争って考えるとかわいいですね。




