バカは風邪をひかない?
「はぁ……前からバカだと思ってたけど……」
苦しそうな寝息が布団の中から聞こえてくる。
真っ赤な顔を歪ませながらアイツがうなされているのを、あたしは呆れ顔で見下ろしていた。
「暑いからって氷風呂につかるやつがいるかよ……」
本物のバカは風邪を引くらしい。
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意識が朦朧とする。
僕はどうやら風邪をひいたらしい。
体はうだるように暑く、まぶたはまるで何かに押さえつけられているかのように重い。
ふと、冷たい感触が僕の額に伝わった。
「もう……本当にバカだな……」
モヤがかった声。
今日は……土曜日だったか……?
いや、でもこんなに優しい声だったかな……?
いつもはもっとこう、ドスの効いた声というか何というか……
「あ〜っもうあたしの番終わっちゃうじゃん!!……まぁこいつの寝顔見れたのはラッキーだったかも……っていやいや……」
透明な膜に包まれているみたいに、音が鈍く聞こえる。病気の時だけ、やたら意識が鋭くなってしまうのは何故なのだろうか。
土曜日が僕の看病をしてくれてるのかな。
まとまらない思考が溢れて止まらない。
ただ確かなのは、おでこに乗った冷えピタがどうしようもなく気持ちいいということだけだ。
「しっかり治せよ……明日はアイツだし……」
明日は……そうだ、日曜日だ。
「あり…がと土曜日……」
いつもムスッとした表情の土曜日が、少しだけ柔らかく微笑んだ気がした。
なんとかペースを戻していきたい(願望)




