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5時間授業の水曜日

 


 ………


「………」


 …………


「…………」


 す、水曜日?


「はいお兄様」

 彼女の吐息が耳にかかる。


 つかぬことを伺ってもよろしいか?


「はい何なりと、お兄様」


 近くね?


 僕の目の前で、繊細な睫毛がパチパチと揺れた。

 朝起きて、何となしに横を向いたらコレだ。

 水曜日が僕の布団に潜り込んでいたのである。

 水曜日は不思議そうに僕を見た。


「近くはありません。兄と妹という関係は最も近いようで、最も遠い関係なのですから……」

 相変わらず訳わからん……


 しかし水曜日はハッとした顔で続けた。


「いえ、お兄様もしや……?実際は遠いとわかっていながら皮肉的に私たちの間柄を『近い』と形容することで、もっと近づくことを私に命令しているのですねそうに違いありません」


 僕は距離の話をしているんだが……


 そう思うのも束の間、水曜日は僕の腰に細い腕を回してくる。


「ぎゅ〜……どうです、お兄様?」


 くっ、半目なのに目を輝かせるとはお主なかなかやるな?

 …いやそうじゃなくて!色々と問題もあるだろうこの感じは!!


「……?」

 何が……?みたいな感じに首を傾げないそこぉ!!


 朝から男女で抱き合っちゃうのは倫理的にアウトなの!兄妹なら尚更ダメ!!


「フフフ、お兄様はピュアですね。同年代の女の子にとって、こんなこと普通です」


 マジ?同級生は大体こんなこと毎朝やってるのか?

 つ、月野さんもやっているのか??


「さあ……?ところでお兄様、私からハグをしておいて何ですが、もうすぐバスが出る時間なのではないですか?」


 時計を見ると、短針が8と9の中間、長針が5を指していた。


 8時25分……


 ちこくすりゅ……


 それからは、覚えていない。


 ただ後ろの方で、『お兄様、帰ってきたらナデナデを……』という声が聞こえた気がした。



 ちなみにギリギリ遅刻しなかった。

 ありがとう、水曜日ぃ……






「お兄様の帰りが早いので、私は得をしています。しかしそれは妹の特権であり当然の権利……」


妹は偉大なり。



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