パニックは校舎内だけ?
実は前々から思っていた事なんだ。
実際にこんな恐ろしい事が起こるはずがないって…。
でも起こったんだよ?マジで!
それはとある県の学校の教室で僕がコッソリと持ってきていたカメラが原因とは誰も思わなかった。そう、その持ってきた当人もだ。
そのカメラは年代物で曽祖父から譲り受けたもの。確かではないが、いつの頃から自宅にあったという。昔ながらの屋敷なので納屋があり、そこに箱にしまわれて置いてあったという。
古いカメラに誰も興味がなかった為、唯一興味を示した僕にくれたものだ。
手入れは行き届いてまだまだ使えそうな感じがした。
クラスメイトは面白がって写真を撮りたがり、僕はシャッターを切り続けた。
しばらくは興味を示していたクラスメイト達も飽きが来たのか一人また一人と離れていった。
そして気がつけば僕の周りには誰もいない。
その日の夜、写真の現像をお願いした。
写真屋もこの年代物のカメラには悪戦苦闘したが、なんとかネガを取り出す事ができ、現像してくれることとなった。
僕はドキドキワクワクしてた。
あのカメラでどんな風にとられたのだろう?
2日後、カメラ屋に行くと店長らしき人が応対してくれたが、なんだか様子がおかしい。
「ネガを見せてください。」
そう言ったら店長は一瞬迷って僕にネガと写真を渡した。
そこに映っていたのは…。
見るに耐えない恐ろしい写真ばかりだった。
「な、何だよ?これ…。こんなの友達に見せられないじゃ無いか!」
それもそのはず、おぞましいものが写り込んでいたからだ。
まるで映画に出てくる写真のようだ。
友達は皆どんな風に映っているのか楽しみにしている。でもこんなの見せていいのだろうか?悩む。
仕方がない、見せてみんなの反応を見よう。処分はそれからでもいいかなと思い、翌日学校に持って行った。そして、写したみんなを集めて写真を公開することにした。ドキドキが止まらない。どんな反応を見せるのだろう…。そう思って一瞬目をつむった。
「な、何だよ?これ…。冗談だろ?」
「冗談でもないよ。マジなやつ。細工も何もしてないからな!」
「そんな、こんなのいらないよ!処分しといて。」
「処分て…どうすればいいの?」
「こういうのってさ、テレビとかだと神社?霊能者?なんかに持ってくといいっていうじゃんか。」
「そんな、知り合いにもそんな人いないよ。無理だよ。」
「ならさ、神社に持ってって頼んでみたら?それでいいんじゃね?」
「それならなんとかなるかも…。でもさ、誰か付いてきてくれないと…僕一人じゃ心細いよ。」
「なんだよ、お前男だろ?しっかりしろよ。しゃあねえなぁ、ついてってやるよ。」
「サンキュー!いつ行く?」
「授業が終わってから行くってので良くないか?サボるとやばいし。」
「そだね。そうしよう。」
僕らは授業に出て放課後集まって皆で神社に行く事になった。ただ口数は少ない。だってそうだろ?あんな写真見ちまったから怖くてたまらないんだ。
写ってたのは骸骨やら生首やら体の一部やらで怖さも半端ない。体が消えてるやつもいたっけ。
神社までは歩いて10分ほどしたところにある。割と綺麗なところのようだ。一度も来たことはないが。
受け付けに行って説明して現物を渡すだけのはずだったのに、受付の巫女さんは宮司を呼びに行ってしまった。他には写真を持って。
しばらくすると慌てた巫女さんと宮司が来て写真を写した状況を聞いてきた。僕は曽祖父からの形見のカメラだと言いながらその写真について説明した。
ついてきた奴らも様子を見て固まっている。
「大丈夫だよ。私がなんとかしよう。」
「「あ、ありがとうございます!」」
僕らはそう言ってその場を後にした。
その後カメラはどうしたって?
勿論箱に入れて納屋にしまっているさ。
また変なのが映らないとも限らないからさ。
曽祖父には悪いけどまた写りそうな予感があったんだ。だからさ。