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一話完結小説

俺(偏差値30)東大目指すわ

作者: ケイ

6作目です

俺「東大目指すわ」


親友「何、血迷ってんだ。おまえが東大に行けるわけねーだろ」


俺「いや、行ける。東大に行って俺は人生の勝ち組になる」


親友「確かにお前みたいな状態から東大入ったやつもいるけど、いま高校3年生の秋だぞ。ここからどうやって東大行くんだよ。あ、浪人するのか」


俺「浪人なんてするか現役で入る」


親友「地球に巨大隕石が落ちる可能性の方がまだ高いと思うが」


俺「たとえ、0.00000000001%しか可能性がないとしても俺はその可能性を信じる」


親友「その可能性もう0%といっていいから。可能性がないから」


俺「バカにしやがって、じゃあ俺が東大に入ったらお前どうするつもりだ」


親友「東京のど真ん中で裸踊りしてやる」


俺「言ったな、絶対忘れるなよ」


それからというものの、俺君は暇さえあれば勉強した。授業も真面目に聞き分からないところはすぐ教師に質問した。


俺 カキカキ


親友「すげーな、人ってこうも変わるのか。しかし、今から勉強したって間に合わねーだろ」


親友はまだ受かるとは本気で思っていなかったが数日後に届いた模試の結果で驚愕した。


俺「やったーB判定だ」


親友「何嘘だろ。ちょっと見せてみろ」


親友「本当だ。おまえどんなカンニングをしたんだろ」


俺「カンニングなんてしてねーよ。これは俺の実力だ」


親友「そうか」


親友(やべー。このままじゃこいつ本当に東大に受かっちまう。そうなったら俺は東京のど真ん中で裸踊りしねーといけねー)


親友(なんとか俺君に勉強させねーようにしねーと)


親友「なあ久しぶりにカラオケにでも行かね」


俺「いい、勉強したいから」


親友「まあそういうな、たまには息抜きしねーと受験日に倒れちまうぞ」


俺「そういうんだったら少しくらいいいかな」


親友(シメシメ。一度勉強しなくなったら後はズルズルと崩れるだろう)



それから、親友はたびたび俺君を遊びに誘った。


親友「これで俺君の学力も下がっただろう」


俺「親友やったぞ。学年1位になった。模試の判定もA判定だ」


親友(え、なんだって。勉強さぼっていたんじゃないのか)


俺「ありかとな。おまえの息抜きのおかげでより集中して勉強ができた」


親友(やべー、こいつの場合は逆効果だった)


俺「よし、このまま東大受験一直線だ」


親友(どうしよう、マジでどうしよう)


それから俺君の勉強量はますます増え、学力もどんどん上がっていった。周囲の人達も俺君は東大に受かるだろうと考えていた。



~新年~


俺(東大に受かりますように)


親友(俺君が東大に落ちますように)



そうこうしているうちにセンター試験日になった。


俺「センター対策はばっちり。余裕だぜ」


親友「俺君の知らない問題がたくさん出ますように。もしくは回答を一個ずらしますように」


結果は俺君センター9割越え


俺「よし、センター足切りはこれで余裕で突破だ。2次対策の勉強をしていこう」


親友「がんばれよ」


俺「ああ、絶対受かってやる」


親友(人生を捨てる準備をしよう)



~2次試験日~


俺「じゃ、行ってくるわ」


親友「がんばれよ」


俺「ああ、今までの勉強の成果を全部出してくる」


親友(お願いします神様。どうか俺君を不合格にしてください)



~合格発表日~

俺「やったーあったぞ。これで俺も東大生だ」


親友(あってしまった、人生終わった)


親友「おめでとう。じゃ俺は罰を受けないとな」


俺「え、罰って何」


親友「え、おまえ覚えてないの」


俺「何が」


親友(シメタ、こいつ約束を忘れていやがる)


親友「いや、何でもないんだ合格おめでとう」


俺「ありがとな。そういえば勉強のことで忘れてたけどおまえどこの大学に行ったんだ」


親友「俺大学受験してねーよ」


俺「じゃ、就職すんの」


親友「就職もしねーよ」


俺「じゃあ、これからどうすんの」


親友「ニートになる。とりあえず親が死ぬまで家でゴロゴロしてるわ」


俺「へえー」


俺(やべーこいつ俺以上のとんでもないこと言いやがった。裸踊りさせると親友の人生に悪いから忘れた振りしたけど、べつにさせても良かったわ)



(終わり)








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