表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある朝ツン過ぎる妹が急にデレ始めたので、幼馴染と後輩に相談したら(※物理的に)修羅場になったんだけど!?  作者: 雲雀湯@てんびん2026年アニメ化決定
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

116/140

第112話 7.19祭り③ 宍戸旧地下鉄道殲滅戦前半 ☆鎌瀬高主将視点

今回は鎌瀬高主将視点になります。


「お前ら、祭りは地上だけじゃない! 地下でも盛大な祭りがある……わかるな?!」


「「「「うぉおおおぉおおぉおぉんっ!!」」」」


 太陽が届かぬ地下の暗がりに、野太い野郎どもの声が響き渡る。

 全くもって壮観だ。


 叫んでいるのはこの俺こと、鎌瀬高の柔道部主将だ。

 それに応えるは鎌瀬高の総合連合軍。

 運動部を主体にしたおよそ300人近い馬鹿どもが拳を振り上げている。


 そうだ、彼らは同じ期末テストを好成績で乗り越えた愛すべき馬鹿共だ。


 いまや文武両道を表すために、全員が武器として分厚い鋼鉄で出来たハードカバーの辞書を持っている。

 全員がハンマー投げ部の協力の下、一定レベル以上の投擲スキルを身に付けている。

 50メートルという射程距離に敵をおさめれば、かなりの精度で急所を打ち抜ける。

 もし敵が学者みたいなインテリ集団と侮れば、手痛い反撃を受けること間違いない。


 それだけじゃない。

 龍元家御庭番衆との協力開発したロケット鉛筆も優秀だ。

 いつでも勉強が出来るよう筆記用具を携えていると思いきや、打ち出せば小型拳銃並みの威力を誇る。

 問題は性能を重視したあまり、鉛筆と言うには大きすぎるくらいか? まぁ500mlペットボトル並みの大きさだから、ちょっと大きな筆と思われるくらいだろう、うん。むしろ大きいから賢そうに見えるまであるか?


 どちらにせよ、彼らは一見学者のようにも偽装できる軍団になった。

 溢れる知性と筋肉が頼もしい。


 しかもこれらの修行と新装備のおかげで、平均脅威度が734匹から921匹にまで上がった。

 群れとして戦えば、たとえ相手が数万匹の脅威度を誇る特選戦力相手でもいい勝負をするだろう。


 だが俺達は油断しない。


 所詮それは群れの力だ。

 例えば個人で18000匹ほどの飛びぬけた実力の者がいれば、単騎でも全滅しかねない。

 それを俺達は、夏実様や大橋さんの件でよく知っている。


 だが悲観することは無い。この場には飛びぬけた実力を誇る個がいるのだ。


「星加、頼んだぞ! 守りの要はお前だ!」

「あぁ、この旧地下鉄道は進入路として危惧される最重要拠点の1つだしな!」

「まさか先月の激戦区だったここに配置されるとは……くくっ、燃えてくるぜ!」


「あ、いや、その俺は……出番とか無いほうがいいかなって、ははっ……」


 そう言って謙虚にも俺達に花道を譲ろうとしてくれる男でもあった。

 さすが外様で唯一の拳姫四天王の1人、星加流。すごいなーあこがれちゃうなー。


 そんな彼に負けないよう、俺は皆に気合を入れるよう促すのであった。



「お前ら、決戦だ! この日の為に新調したブルマーを穿き直せ!!」


「「「「うぉおおおぉおおぉおぉんっ!!」」」」




  ◇  ◇  ◇  ◇




 俺達が配備されたのは、宍戸の地に作られた旧地下鉄だ。

 地上は真夏日の暑さだというのに、ここは肌寒いくらいに涼しい。


『んーっとね、旧地下鉄から利空無(りくうむ)の追加部隊がくるの、だからそこお願いね』


 と、美冬様が仰っておられた。

 美冬様が断言するからそうなのだろう。


『うそ、利空無(りくうむ)の追加部隊?!』

『宍戸に手を出そうとして壊滅しかけたはずじゃ?!』

『裏を取れ、脅威度の修正を!』


 などと、御庭番衆が慌しく動いていたっけ。


 手元の資料に目を落とす。


 利空無(りくうむ)――人身売買に手を染める、闇世界の組織だ。

 その売り先は主に紛争地帯であり、売り飛ばすのは傭兵として戦えるように訓練された兵士だ。


 借金で首が回らなくなった若者や、ヤクザ同士の抗争でヘマをしたチンピラを集め、厳しい教育と薬品漬けにして訓練して出荷(・・)するという。

 今回宍戸の地にやってくるのは、その戦闘教官と訓練された出荷待ちの傭兵達だろう。


 おそらくかなり充実させた装備で来ると予測されている。

 もしかしたら、先日宍戸に手を出して壊滅したという部隊よりも強敵かもしれない。


 だが、俺達は負けるわけにはいかない。


 そして、目前に迷彩服で武装した集団が現れた。

 スタンガンに警棒……銃器は見られないが、クロスボウは見える。


 率いるのは、頭をパイナップルにも見えるモヒカンにした大男だ。


「「「「……」」」」

「「「「……」」」」


 互いに無言で睨み合う。


 あのパイナップル頭は強い。見ただけでわかる。

 きっと夏実様に出会う前の俺達だったらビビッて逃げ――いや、この場で失禁して気絶していたかもしれない。


 だが俺達は変わった。


 今の俺達の胸には夏実様が、股間にはブルマーが住んでいる。

 たとえ相手が紛争地帯に送られる薬物で強化訓練された傭兵だったとしても、負ける気はしない……ッ!


「いくぞ、お前ら!! ブルマーを捧げよ!」

「「「「ブルマーを捧げよ!!!!」」」」


 野太い声が一つに重なり、極東アジア最大の傭兵斡旋組織でもある利空無(りくうむ)へと浴びせかけられる。



 ――ここに、後に宍戸旧地下鉄道殲滅戦と呼ばれる戦いが開始された。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぽちっとよろしく♪
小説家になろう 勝手にランキング
角川スニーカー文庫から発売中です! i372743 i372743
i372743
i372743 i372743
集英社ダッシュエックス文庫から発売中です i372743 i372743
i372743
― 新着の感想 ―
[良い点] いやに饒舌なモブのナレーション………フラグかな? キャー星加流さんよー活躍が楽しみですぜ旦那ァ……… 個人的には若頭と刑事の出番も気になりますね! 以前も似たようなコメしましたが、デュ…
[良い点] ハードカバーにロケット鉛筆・・・。字面が本質に伴ってないw。 [気になる点] 彼らの知性を感じられないのは、俺がまだ未熟だからか?! [一言]  疲れた脳みそにしょっぱなからぶちかましてく…
[良い点] 確かラブコメ読んでいるはずなんだが・・・ 集団自衛権発動みたいなことになってねぇか?w [気になる点] ブルマ がいた・・・ [一言] ちゃっちゃら ちゃっちゃらーちゃらっちゃ ちゃーら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ