灯り 真昼の月 (2篇)
掲載日:2017/06/05
灯り
川面にちらちらと町の灯りが
金色の魚の群れを泳がせ
人は長い釣竿をたらし
幸福を釣るのに専念する
雑音と騒音が
人の足を浮き立たせ
虹色の灯りで染まった町を
躍らせる
いくつものいくつもの
そびえ立つ高層ビルの森に毎夜
季節外れのクリスマスツリーのように
灯りがともる
小さな闇の断片が
まばゆい灯りに
切り裂かれ
ゴミ溜めの中に捨てられる
闇を葬った街に
灯りだけが
不死身の化け物のように
人々の生き血を吸う
*** *** ***
真昼の月
白い半透明な満月が
薄水色の空に
オブラートのように薄く
貼られている
太陽が病気でもしたかのように
月は、薄く色をなくし
亡霊のように真昼の空に
浮かんでいる




