表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/2

テンプレすぎると逆に不安

目を開け周りを見渡すとなんというかまぁ、テンプレ通りというか・・・

俺達が居るのは薄暗い石造りの部屋で、壁には松明が一定の間隔で掛けられていて、俺達を囲うように兵士らしき人が立っている。

そしてテンプレ通りならば正面には・・・


「勇者様!どうか世界をお救い下さい!」


はい、どうもテンプレ通りありがとうございまーす。ドレスを着た超美人なお姫様ですねわかります。


ですがね、お姫様

web小説の世界じゃあるまいし、一般人はこんな状況で冷静に話なんて聞けませんよ


要するに何が言いたいかっていうと


うちのクラスはパニックになってて誰も今の発言を聞いてなかった・・・



***********


「あの・・・すいませんけど、ここはどこでしょうか?」

みんなが落ち着・・・くはずもないが、とりあえず現状を把握するためかカースト上位のウェイグループがお姫様に質問した。


「そ、そうですよね!いきなり呼ばれては何が何だか分かりませんよね!失礼しました!ここはブレイブ王国の王城の地下です!」

「ブレイブ王国?」

「え、ええ!そうです!あ、異世界から来た勇者様達には分からないですよね!すいません!え、でもどう説明したら・・・」


姫様ァ・・

ここから聞いてるだけでも残念臭がし始めている・・・


俺も周りの奴と話しながら、クラス転移について軽く説明しとく。

そういうものを知らない奴は驚いてから、喜んだり、不安になったりと色々な反応があったが、元からこういうものを知ってる奴らは狂喜乱舞している。

まぁ・・・こういうの好きな奴にはたまらんよな、俺も含めて


そうです俺も超嬉しぃぃぃぃぃぃぃぃ!!

いやいや、異世界転移ですよ!みなさん!

そりゃ興奮するに決まってるだろうが!

そんなねぇ、いきなり冷静に周りを見れるヤツが現実にいるわけないだろうが!

もう全然俺もパニックだよ!

嬉しいけどパニックだよ!

もしかしたらクラスで一番俺がパニックかもしれないわ!


クラスメイト達は身内で騒いだ後、とりあえず現状を知るために姫様の周りに集まり、姫様を質問責めにしている。

そして、それを見た兵士さん方が若干殺気だっていらっしゃるようです。


俺もみんなと同じように姫様の周りに行くと、もう姫様はもう既にアワアワ言って使い物にならなくなってた。


しょうがない、俺がいっちょ異世界転移について教えてやるか・・・


「こ、ここはたぶん異世界だよ!」

と1人の男子生徒がちょっと大きめな声で呼びかける。


マジかーい


それ俺言おうと思ってたねん


今のは大木というまぁいわゆるオタク系の奴だ。(人のこと言えないけど)

普通にいい奴で俺はアニメとかの話がしたい時は話したりする。

ただ普段は地味でこういう時に声をあげるような奴じゃないんだが・・・


そんな彼がこういう風に声をあげるのは珍しいというか初めて聞いた。


そうか、君もテンション上がってるんだな・・・分かるぞ、うん


「どういうこと?」

とウェイグループの中にいた滝沢が大木に声をかける。



滝沢はサッカー部、イケメン、性格良いの三拍子揃ってる典型的カースト上位の奴で、誰とでも仲良くまぁ人気者ですね、はい


滝沢の問でみんなが大木を見る。


「えっと、いや、たぶんなんだけど、ここは地球がある世界とは別の世界で、僕達はそ、そこのお姫様に召喚されてここに来ちゃって、それで、えっと、たぶんこの国か世界が危機だから助けて欲しいとかそんなことじゃないかと・・・っていやあのよく小説でこういう設定があるってだけなんだけどね!わかんないけど・・・」

と大木は捲し立てるように喋った。


大木・・・

いつもみんなの前ではあんまり喋らないから緊張したんだな・・・よく頑張ったぞ!



「あの方は賢者様なのでしょうか・・・?」

みんなが大木に注目してる間にお姫様がボソッと呟いた。

そのお姫様は知っていることをみんなに話す大木の姿を尊敬の目で見ている。


やっぱさっきのなしだ大木の野郎!!

クッソ、転移していきなりお姫様のポイント稼ぐとかどこのWeb小説の主人公だ、お前は!

オタクか!?やっぱりオタクは異世界にて最強なのか!?だったら俺にも来いよ!なんか来いよ!そういうイベントォ!

てかお姫様もチョロすぎんよぉ!これくらいで目をキラキラさせやがって!チョロい、姫様さすがチョロい!


とか心の中で血の涙を流していると


「今語られてることに相違ありませんぞ、異界の賢者殿」


声の方を向くと地下から地上に伸びているだろ階段を立派な髭を生やした老人が降りてきた。



・・・・・・・・・





マジモンの賢者様来たァァァァ


こちらの小説も書いてます。

良ければどうぞ


http://ncode.syosetu.com/n8283cc/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ