5
王は物語に出てくるタイプの王様だった。
金髪碧眼の40歳くらいのダンディーおやじ。あ、トランプのキングに似てるんだ!その口髭がキングっぽさをさらに高めているなぁ。
特筆することもなく、シナリオ通り『世界を救って欲しい、異界の聖女よ。封印を解き放ち平穏な世を導いてくれたならば、褒美は好きなものをとらせよう。』みたいな感じで謁見は終わった…ように見えたが、王は最後にとんでも発言をした。
「旅の同行者だが、様々な方面でこの国一番に秀でた者を指名をしようと思っていたが…ちと…聖女を護衛する気がなさそうでなぁ。ただ、旅には着いていくようだ。むろん、護衛も無しに旅をさせる気はない、そなたの専任護衛としてそこそこの者を用意した。」
王宮に私の部屋を用意してくれて、今日はそこで休めと言われ謁見が終わり、侍女に案内されてるけど、私は頭にお花畑が咲きつつあった。
あれ?これ私のターン?フラグたてちゃっていいのかな?新しい攻略対象きちゃった?
私の部屋まで案内してくれた侍女にお礼を言い、部屋付き侍女、名前はマーサさんに挨拶しつつ、私は新たな攻略対象の訪れを待った。
ノックの音がする。開けますか?
開ける ←
開けない
もちろん開けるだよね~。はいはーい、すぐ開けまーす。マーサさんに扉を開けるようお願いするとソコには
クリスティーナが篭を持ち現れた!どうしますか?
戦う
愛でる
とりあえず話を聞く ←
ちょっと変な選択肢あったような気がするけど…さっきまでクリスティーナ逆ハーメンバーに入りそうになってたけど…。
「あの、玲奈様、突然申し訳ございません。すぐおいとま致しますわ。その前にお疲れかと思ってフィナンシェを用意いたしましたの、よろしければ。」
天使?白い羽が見えないけどなにこの子天使?あれ?神が遣わした奇跡?
ってその手にはのらーん!危うく好感度上がりそうになっちゃったじゃないか!私は攻略対象じゃなーい!ヒロイン(仮)だー!
私は内心の動揺を隠しつつ、笑顔を見せる。
「ありがとう。今から来客があるから今後についてはまた明日話し合いましょう?
私のてんしちゃ…ゲェフ、ゲェフ…。」
扉を閉めて私は篭をサイドテーブルに置き、ベッドで悶えた。危ない!危うくまた落とされるとこだった。私を落とそうとするとは!堕天使め!
あらかた悶え終わると、本日2度目のノックがありやっと攻略対象者達・その2とご対面するのだった。
次ページに続く…
こともなく、うん、ま、四人ともイケメン。十人並み?さっきまで絶世の~とか息を飲むような~とかの美男子見てたからちょっとインパクト薄くなっちゃったかもだけど。
友達に街でばったり会ったら、なかなかカッコいいじゃん!今度友達紹介して~。って言われる感じ。あまりの美男連れてたら、あんた騙されてるよ!ってなるけどね。
さて、私のターン、好感度アップさせるため、会社のおやつ用に作ったクッキー喰らいやがれ!
「あ、私達は先ほどクリスティーナ様よりフィナンシェ?なるお菓子を頂きましたので。聖女様、それはどうぞ王太子方にお渡し下さい。」
…あれー?なんだろ?あれー?切ったカードが速攻撃破されてるー?
そういえば、会社の田中くん(フツメン)に遊びいこうって言われてたんだぁ。
田中くーん、お迎えお願いしまーす!えっ?家じゃないよ。異世界フロンティアだよ!
ブクマ・評価ありがとうございますm(__)m
やる気に直結しますので、ブクマ・評価頂けたら幸いです。