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混沌とした召喚の間を出て、王宮の小会議室?みたいなところへ連れて行かれた私は円卓に対峙する自称悪役令嬢クリスティーナを観察した。


ふむ、白磁の肌に緋色の目ってマニア心をくすぐるなぁ…そのうえ目鼻立ちもはっきりとした、まるでビスクドールのような美少女。年の頃は17、8くらい?


でも、絶対原作にはいなかった!これは断言できる!こんな綺麗なライバルいたら絶対忘れないよね。


「聖女様におかれましては、いきなりこのような異世界に呼び出され驚かれているとは存じますが、まず私の方からきちんと説明をさせていただきますわ。」


とのたまわったが、この会議室には二人きりなので


「あ、大丈夫、このゲームしたことあるからだいたいの概要はわかってる。」


するとクリスティーナはピクリと反応しその大きな目をさらに大きくした。そして、


「…げぇむ?」


と疑問符を浮かべた。


「…?ゲームだよね?ま、メジャーではなかったけど乙女ゲームファンの中ではそこそこ評価もよかったし。乙女ゲームしたことある人なら名前くらいは聞いたことあるんじゃないかな?」


「これは、この世界はにじ?創作?という漫画の『悪役令嬢クリスティーナの悲劇』ではありませんの…?」


呆然と呟く彼女に私はピーンときた。彼女あれだ原作知らずに二次だけ読んだ子だ!

これで少し得心がいった。


「はっ!まさか、聖女様も転生者なのですか?」


私は頭を振り、大きくため息をついた。


「イヤイヤ、貴女方から召喚を受けた地球の日本出身のしがない事務職女ですよ。貴方の言う漫画を私は知らないのだけど詳しく教えてくれる?後、私と同じ日本人だったの?」


私は同じ日本出身か確認をするため、彼女の名前や生い立ち、西暦や現首相名、各界の著名人などいろんな質問をした。


すると彼女は日本での自分の名前はわからないが、間違いなく私と同じ日本出身で1年前に亡くなり18年前にこの世界に転生してきたとわかった。


そして、『悪役令嬢クリスティーナの悲劇』を語りだした。


友人から借りたその漫画はこの異世界フロンティアを舞台とし、ヒロインは日本から召喚され四人の攻略者と旅に出て世界の封印を解いて回り最後は誰も選ばず帰るノーマルエンド…うん、ここまでは原作通り。


「ただ、王太子の婚約者として紹介された公爵令嬢クリスティーナが聖女様に嫉妬し妨害を行うのです…そして、妨害を行ったことが攻略者達にバレて、その…りょ、凌辱されてっ、公爵家は没落のちクリスティーナは王都追放…片田舎で娼婦となってしまうお話でした。」


私は没落、追放を逃れるため才能を伸ばし封印を解くお手伝いをしようと頑張ったのです。


と語っていたが、私はその真正面で頭を抱えていた。


はい、コレ来ましたー。流行りの悪役令嬢転生無自覚逆ハー物語来ましたー。


あ、この場合の私の立ち位置って召喚ビッチヒロインですよね。わかります。


よーし、おねいさん頑張っちゃうぞ!なんてならないよね!?


よしっ、やっぱり帰らせてもらいます!

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