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短編で書いたのと1、2は同じです。
完結目指して頑張ります。
会社からの帰りがけ、甘いものが食べたくなってコンビニに寄ろうとしたら、足元が光って気がついたら異世界だった。
それも結構お気に入りの乙女ゲームと思われる…タイトルなんだっけ?度忘れした…
内容的には、ある日異世界に召喚された主人公と攻略対象達が魔獣を倒しつつ、世界に掛けられた8個の封印を解いて平和に導く。
その過程でドキドキキャッキャッウフフアハハするテンプレ乙女ゲームだ。
気づいたのは召喚された部屋に攻略対象の面々と見知らぬ女が1人…侍女?にしては服装がアレで銀髪緋色眼の美少女だけど…?まー、きっとモブだよね。
召喚されたってことは私、主人公なんだよねー!やったー誰攻略しようかなー。あーでも攻略したらもとの世界帰れなくなっちゃう…。
って、ひとりのりつっこみか!そろそろ話進めよーょ!と心の中で思ってたらモブ女が
「アレクセイ様、黙っていても事態は何も変わりませんわ。ご説明をされなければ聖女様も混乱なさってしまいますわよ。」
と口を開いた。
「まあ、貴女がそう言うなら…しかし、私はこの召喚の義には反対だったんだ。父が言うから仕方なく許可をしたがだいたい…。」
パッケージ一番前に画かれた金髪碧眼眉目秀麗ザ王子様の王太子アレクセイは説明もせず愚痴愚痴言い出したけど…ん?こんな場面なかったよね?もっと『異界の聖女よ、我々と共に我が国を救って欲しい~』
みたいな始まりだよね?
モブ女は、もーいいと言わんばかりに手を振り、はぁとため息を吐いて二番人気の腹黒メガネで黒色のワンレン長髪をした宰相補佐ギーニアに説明するよう促した。
しかし彼は私のことを目の端にも入れたくないと無関心にそっぽを向き
「その必要性を感じられません」
と言ってのけた。
あるぇ~?ツンデレのツンいきなり激しすぎじゃない~?
モブ女は、護衛騎士リカルドに目を向けると
「愛しのクリスティーナに上目遣いで可愛くおねだりしてくれたら、俺から説明してもいいけど?」
赤髪のはしばみ色の目をしたこちらもイケメンのチャラ騎士はそうほざいた…。
モブ女…暫定クリスティーナはすがるように召喚を行った魔導士…
「ルイ…」
と見つめたが、表情のあまりわからないフードをかぶった童顔無口魔導士はついっとクリスティーナを見つめたが言葉を発することはなかった…。
クリスティーナははぁぁと大きなため息をつくと、こちらをじっと見つめ
「僭越ながら、私から説明させていただきますわ。聖女様、この世界は今混沌と絶望に満ちています。私達とともにこの世界を救ってはいただけないでしょうか?」
うん、君が言うのおかしくない?ってか
「…貴女は誰?」
「あ、自己紹介もせず申し訳ございません…私はヴァンクリーフ公爵が息女、クリスティーナ・ヴァンクリーフですわ…よろ…」
最後のセリフをさえぎり王太子が
「そして、王太子である私の婚約者…」
またまた横から腹黒メガネが
「王より一方的な打診があっているだけで、まだ正式な婚約者ではない。」
「そうそう、クリスティーナはお前なんか眼中にないもんなー。」
とチャラ男
「クリスティーナは…渡さない…」
フード魔導士もボソッと宣言…
すると、顔色を悪くしたクリスティーナが
「…没落…追放…エンドは回避しないと…はっ!」
ぶつぶつつぶやいていたクリスティーナはこちらを向きまだ顔色の悪いまま、
「せ、聖女様…く、詳しい説明は別室で行いますわゎ、、わ、わたくしは聖女様の味方ですわ。」
だから、没落ルートはとか悪役令嬢回避を…とボソボソと言ってたとかなんとか…
クリスティーナの手がそっと私の背にふれ、別室に促されたが、後ろでは四人の男が私を無視して火花を散らせていた。
イヤイヤ、王太子に悪役令嬢の婚約者なんていなかったよね?
混沌としているのこの部屋だろ?
なんて思っていたが、一番言いたいのは
『お前がフラグたてとるやないかいっ!』
あぁ、明日も仕事だし…帰っていいですか…?