10月3日 ホビットの国 ホビット忍者お姉さんからの問いかけ
おそらく平成26年10月3日
剣暦××年9月3日
ホビットの国ムーンスレイブ
ドワーフの国との間にある草原にてキャンプ
昨日の朝、ユキくんと、道案内を申し出てくれたホビットのお姉さんと3人で出発。
迷いの森を抜けて、草原まで出た。
ここからはホビット達が使うそれなりに広い一本道が続いている。途中で何回か分かれ道があるけれど、それを間違えるようなことはいくらなんでもしない。
案内にお礼を言って、そこでお姉さんとは別れようとおもったのだけれど、お姉さんからの申し出。
急ぎの旅のようだから、通常のルートよりも早い抜け道を教えてくれるという。
途中で迂回しなければならない雑木林の中の秘密の通り道や、道を横断する流れのはやい川を、こっそり架けた橋を渡ったりして、たった2日でドワーフの国が見えてくるところまで来た。
今日はもう日が暮れるのでキャンプして、明日正規ルートの一本道に戻り、国境警備基地を通る。裏道なので、ホビット小屋が一つもないのだ。
国境警備隊に見つからないところをこっそり通って密入国することもできるが、関所というのは要害に建てられているもので、迂回しようとすると茨が平野を覆っている地域で出るため、とても通れないし、人食い狼なんかもうろちょろしているらしい。何より国境警備基地で旅行証明書にサインをもらっていないと、不法入国者として扱われてまともな宿にも泊まれない。
ホビット忍者のお姉さんとは明日別れる。
今日は、この2日間のお礼を兼ねて、ちょっとしたお祝い風に夕食を食べてお姉さんをねぎらった。
ユキくんを通して、本当にありがとう、ということを伝えると、思いもよらない返事が返ってきた。
「カンテラさん、このお姉さん、「あの時の恩を少しでもお返しできたなら何よりです」と仰っているのです」
???
何したっけ? というか、僕このお姉さんと初対面じゃないの?
どうしても思い出せず、どこかで会ったことがあるのかを訊いてもらったら「思い出すまで教えてあげません」とか言って笑ってた。
えー、まじ参った。
ホビットの知り合いは数少ないから忘れるはずないんだけど……。