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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
三方向作戦! 三カ国を巡るリーヨンちゃんとピコちゃん編
72/363

9月9日 現在の状況

 おそらく平成26年9月9日

 剣暦××年8月9日


 オークの国王都よい西に200の距離 ヘンゼル渓谷



①オークの国方面 (僕 ユキくん)

 ユキくんと二人で、彼女が隠れているという渓谷を探しに行く。

 別に潜んでなくて、季節外れなためか他に客のいないキャンプ場で、一人薪を集めていたリーヨンちゃんを見つけた。

 5か月ぶりくらいに姿を確認しあうと、大分喜んでもらって、テントに案内されて歓待を受ける。

 ユキくんが薪を拾いに林の中に入っていく。


 テントで、リーヨンちゃんと2人。

 会えたのはいいけれど、何の会話もできない。そもそも、リーヨンちゃんは剣語が喋れないので、僕と会話なんてできない。

 ユキくんを待てばいい。なのに、自己嫌悪に陥っていたせいか、愚痴を延々と呟いてしまった。聞かせてしまった。言葉もわからないだろうに、リーヨンちゃんはうんうんと頷いて、聞いてくれた。

 ああ、恥ずかしい。

 僕の方こそ皆に守られて生きていることを思い出した。


 ユキくんの持ってきた薪でプチキャンプファイヤーをして、遅くなったので、この日はユキくん共々テントに泊めてもらう。

 ユキくんなんか「野宿はよくするけれど、誰かとキャンプなんて初めてなのです」と、感情の分かりにくい貌で興奮していた。

 案の定、犬が苦手なリーヨンちゃんは涙目だった。


 夕飯を食べて、しばらくして、リーヨンちゃんは『明日帰る。そして、兄 (国王アイスバイン陛下)と会う』、と言ってくれた。

 ユキくんはそれを伝え、先方に準備をしてもらうために、先に王都に戻ることにした。「せっかくのキャンプができなくて残念なのです」とか言って、夕暮れと夜の境界を、駆けていった。 

 脚、速いな。



 ユキくんがいなくなった後、こうして日記を書いている。

 隣でリーヨンちゃんがにこにこしている。


 ……なんで、リーヨンちゃんは、家出してまで会いたくないと言っていた家族と、会うと言ってくれたのだろうか。

 落ち込む僕に気を遣って、決心したと言うのなら、それは、僕はイオちゃんに軽蔑されても仕方ない、のかな。

 


②センチペド方面

 特に情報なし


③姫様方面

 特に情報なし



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