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かんてらOverWorld  作者: 伊藤大二郎
死霊祭が終わった!草原の国自宅での日々編
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9月1日 ジョリャ・ユユキ・メルクリが僕の家に来た経緯

 おそらく平成26年9月1日

 剣暦××年8月1日


 明日は、国王陛下からの招請状に記された登城日である。

 僕の今後が決まる大事な謁見だが。

 何の準備もできなかった。

 そう言えば、大学時代の卒業論文発表会もこんな感じだった気がする。


 今日は日記を読み返して、僕が今まで何をしていたのかを再確認していたら、一日が終わる。

 とりあえず、僕が何をしなければならないのかを、再確認できた一日でもあった。

 ジンさんがいれば、相談もできるが、もういない。

 これからは、ユキくんが、その相手である。


 ジョリャ・ユユキ・メルクリと案内人契約を正式に結んだ。

 仮契約ということで、まずは二カ月。


 あだ名はユキくんになった。


 ユキくんについてわかったこと

①14才。犬頭人で一番偉い家系の御曹司。

②ジンさんを尊敬している

③グリーンピースが食べれない

④大型の洋犬みたいな険しい獰猛な顔で、表情のパターンが少ないためか、誤解され易いが、繊細で小心



 ※※


 さて、昨日の夜、家にやってきた、ジョリャ・ユユキ・メルクリと名乗った犬頭人は、「今日は挨拶だけ先に」と、その日は帰ってしまった。


 どうやら、ジンさんが契約案内人がいなくなってしまう僕のために、用意してくれた新しい案内人ということなのだろうけれど。

 そこまでしてくれるなら、ジンさんも言ってくれればいいのに。



 今朝、手紙が届いた。

 ジンさんからで、封筒の中には僕宛の手紙と枠外巡礼者同行契約紋書(案内人の契約書)が同封されていた。


 手紙を早速読んでみる。



 ……、要約すると


『この前開いてくれた俺の祝賀会で相談した通り、知人の息子をそちらに送る。ユユキ・メルクリ族という格の高い一族の長の次男坊。将来の獣人族を引っ張らなきゃならない立場にいる。まだ未成年なのだが、一族の掟で無理やり旅立たされたため、人を案内した経験がない。案内人としての修行のために、次の旅に、ぜひ同行させてやって欲しい。そして、お前が約束してくれたように、旅の楽しさを教えてやってくれ』


 とのこと。



 僕、そんな約束をしていたのだろうか。

 あの夜は酔っぱらい過ぎて、全然覚えていないのだけれど。



 どうやら行き違いで、昨日の内に挨拶に来てくれたらしい。

 しかし、ジンさんとは随分とキャラの違いそうな恐い顔をしていた。

 ジンさんは和犬の獣人って感じだったけれど、あのジョリャさん? は大型のハスキーって感じで、険しいし、表情ないし。

 仲良くやれるだろうか……。



 手紙をよく見ると、追伸があった。


『追伸 ジョリャは、見た目は獰猛な犬種に見えるが、おっとりとした性格で、かなり小心者で、人見知りも激しく、というか子供だ。ついでに、見知らぬ町で迷子になることもある。かなり、面倒をかけるが、よろしく頼む』


 おいおい、そんな御子息を僕みたいなのに預けていいの?


 なんか嫌な予感がして、レンちゃんに外を見に行ってもらうと、城下町の方で迷子になってたジョリャ・ユユキ・メルクリさんを保護して帰ってきた。

 お茶を飲みながら、どこに宿を取ったのか訊いてみると、大型犬の険しい貌のままで、「昨日は宿が取れなかったので、野宿をしたのです」とかいう答え。

 案外、たくましいかも知れないな。


 とりあえず、泊まってもらうことにした。


 詳しくきくと、14才とか。

 

 僕ぁ、この子を連れて、明日国王陛下のところに行くのか……。


 まあ、それも面白いか。あとは、姫様にいじられないようにフォローしてあげないと。




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